令和6年度登録販売者試験問題【中国・四国】 主な医薬品とその作用(午後)

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問1 かぜ(感冒)及びかぜ薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 「かぜ」は単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが消化器に感染して起こる急性炎症の総称である。

b かぜの原因となるウイルスや細菌は、それぞれ活動に適した環境があるため、季節や時期などによって原因となるウイルスや細菌の種類は異なる。

c かぜ薬は、かぜの諸症状の緩和を目的として使用される医薬品の総称であり、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去したりする作用がある。

d かぜは、くしゃみ、発熱などの様々な全身症状が組み合わさって現れるため、どのような場合でもかぜ薬(総合感冒薬)を選択することが最適である。

  a b c d

1 正 正 誤 正

2 正 誤 正 誤

3 誤 誤 正 正

4 誤 正 誤 誤

5 誤 正 正 誤

問1

a.誤:「かぜ」は単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが上気道に感染して起こる急性炎症の総称である。

b.正

c.誤:かぜ薬の配合成分は、解熱鎮痛、鎮咳去痰、鼻炎緩和など、症状を和らげることを目的としています。ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去したりする作用はありません。

d.誤:発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましい。

正答:4

問2 かぜ薬の配合成分とその配合目的に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

 【配合成分】         【配合目的】

a グアイフェネシン     ― 痰の切れを良くする

b イソプロピルアンチピリン ― 発熱を鎮め、痛みを和らげる

c アミノエチルスルホン酸  ― 咳を抑える

d ノスカピン        ― ビタミンなどの補給

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,d ) 5( c,d )

問2

a.正:

b.正:

c.誤:アミノエチルスルホン酸(タウリン)はビタミンなどの補給する目的

d.誤:ノスカピンは咳を抑える目的

正答:1

問3 かぜ薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a メチルエフェドリン塩酸塩は、依存性がある成分ではない。

b トラネキサム酸には、凝固した血液を溶解されにくくする働きがあるため、血栓のある人や血栓を起こすおそれのある人に使用する場合は、治療を行っている医師に相談するなどの対応が必要である。

c 水酸化アルミニウムゲルが含まれる医薬品は、抗ヒスタミン成分や鎮静成分の作用による眠気を解消する。

d グリチルリチン酸二カリウムの作用本体であるグリチルリチン酸は、大量に摂取すると偽アルドステロン症を生じるおそれがある。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,d ) 5( c,d )

問3

a.誤:メチルエフェドリン塩酸塩は、依存性がある成分である。

b.正

c.誤:水酸化アルミニウムゲルは「胃酸を中和する成分(制酸成分)」として胃腸障害の軽減を目的として配合されており、抗ヒスタミン成分や鎮静成分による眠気を解消する作用はありません。

d.正

正答:4

問4 かぜ薬に配合される漢方処方成分又は単独でかぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 香蘇散は、体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされる。

2 漢方処方製剤としての麻黄湯は、マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要がある。

3 桂枝湯は、インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要がある。

4 葛根湯は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られている。

問4

1.正

2.正

3.誤:インターフェロン製剤と間質性肺炎の関連が指摘されているのは「小柴胡湯」であり、「桂枝湯」ではありません。桂枝湯は体力虚弱で汗が出るかぜの初期に用いられるとされています。

4.正

正答:3

問5 解熱鎮痛薬とプロスタグランジンに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 解熱鎮痛薬によるプロスタグランジンの産生抑制は、肝臓での炎症を起こしやすくする可能性がある。

b 解熱鎮痛薬は、プロスタグランジンの胃酸分泌調節作用や胃腸粘膜保護作用を妨げないため、空腹時に服用できるものが多い。

c 月経痛(生理痛)は、月経そのものが起こる過程にプロスタグランジンが関わっていることから、解熱鎮痛薬の効能・効果に含まれる。

d 解熱鎮痛薬は、中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生は抑制しないが、体の各部(末梢)では抑制する。

  a b c d

1 正 誤 正 誤

2 正 正 正 誤

3 正 誤 誤 正

4 誤 正 誤 誤

5 誤 誤 正 正

問5

a.正

b.誤:アスピリン等の解熱鎮痛成分がプロスタグランジンの産生を抑えることで、胃酸分泌を抑える作用や胃粘膜を保護する作用も阻害し、胃粘膜への刺激が増強され胃腸障害が生じやすくなるため、食後に服用する。

c.正

d.誤:多くの解熱鎮痛薬は、中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生は抑制する。

正答:1

問6 次の成分を含む解熱鎮痛薬A、Bに関する記述のうち、誤っているものはどれか。

解熱鎮痛薬A 3錠中(成人1日量)

アセトアミノフェン 195mg

イブプロフェン 195mg

無水カフェイン 120mg

合成ヒドロタルサイト 40mg

解熱鎮痛薬B 4錠中(成人1日量)

アセトアミノフェン 600mg

エテンザミド 1,000mg

無水カフェイン 140mg

アリルイソプロピルアセチル尿素 120mg

1 炭酸飲料での服用で作用が低下することが考えられる成分を含むものはAである。

2 10才の小児に使用できるものはAである。

3 「ACE処方」と呼ばれる成分を含むものはBである。

4 服用後、乗物や危険を伴う機械類の運転操作を避ける必要のあるものはBである。

問6

1.正:合成ヒドロタルサイトは、胃腸薬に配合される制酸成分の一種として挙げられています。炭酸飲料は酸性であり、制酸成分と反応してその作用を低下させたり、過剰なガスを発生させたりする可能性があります。

2.誤:Aはイブプロフェン、Bはエテンザミドを含有しているため、15歳未満には使用できない。

3.正:「ACE処方」はアセトアミノフェン(A)、(無水)カフェイン(C)、エテンザミド(E)の組み合わせを指します。

4.正:アリルイソプロピルアセチル尿素は鎮静成分であり、鎮静成分には眠気を促す作用があります。

正答:2

問7 眠気を促す薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状のある人を対象とするものではない。

b 抑肝散は不眠の症状の改善などを目的としているが、小児の疳や夜泣きにも用いられる。

c 飲酒とともにブロモバレリル尿素を含む催眠鎮静薬を服用しても、その薬効や副作用に影響はないため、飲酒を避ける必要はない。

d かぜ薬やアレルギー用薬などを使用したことによる眠気を抑えるために眠気防止薬を使用するのは適切ではない。

  a b c d

1 正 誤 正 正

2 正 正 正 誤

3 正 正 誤 正

4 誤 正 誤 正

5 誤 誤 誤 誤

問7

a.正

b.正

c.誤:ブロモバレリル尿素は鎮静成分であり、鎮静成分とアルコールの併用は、通常、薬効や副作用を増強させる可能性があります。

d.正:カフェインの重複摂取を避けるため。

正答:3

問8 鎮咳去痰薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a ハンゲは、中枢性の鎮咳作用を示す生薬成分として配合されている場合がある。

b メトキシフェナミン塩酸塩は、気道粘膜からの粘液分泌を促進することを目的として配合されることがある。

c クロルフェニラミンマレイン酸塩は、鎮咳成分や気管支拡張成分、抗炎症成分の働きを助けることを目的として配合されることがある。

d カルボシステインは、痰の切れを良くする成分で、分泌促進作用・溶解低分子化作用・線毛運動促進作用がある。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,d ) 5( c,d )

問8

a.正

b.誤:メトキシフェナミン塩酸塩等のアドレナリン作動成分は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。

c.正

d.誤:ブロムヘキシン塩酸塩の記載。カルボシステインは痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させたり、粘液成分の含量比を調整し痰の切れを良くする作用がある。

正答:2

問9 咳止めや痰出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤のうち、以下の記述に当てはまるものはどれか。

体力中等度以下で、痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされるが、水様痰たんの多い人には不向きとされる。

1 半夏厚朴湯

2 柴朴湯

3 麦門冬湯

4 五虎湯

問9

1.誤:半夏厚朴湯は体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、のどのつかえ感に適すとされる。

2.正誤:柴朴湯は体力中等度で、気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、かぜをひきやすく、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴うものの小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症、虚弱体質に適すとされるが、むくみの症状のある人等には不向きとされる。

3.正

4.誤:五虎湯は体力中等度以上で、咳が強くでるものの咳、気管支喘息、気管支炎、小児喘息、感冒、痔の痛みに適する。

正答:3

問10 口腔咽喉薬・うがい薬(含嗽薬)及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 含嗽薬は、水で用時希釈又は溶解して使用するものが多く、調製した濃度が濃いほど効果が得られる。

2 口腔咽喉薬・含嗽薬は、局所的な作用を目的とする医薬品であり、口腔や咽頭の粘膜からは吸収されない。

3 ヨウ素系殺菌消毒成分に含まれるヨウ素は、乳汁中には移行しないため、母乳を与える女性でも問題なく使用できる。

4 クロルヘキシジン塩酸塩が配合された医薬品では、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがあるため、この成分に対するアレルギーの既往歴がある人は、使用を避ける必要がある。

問10

1.誤:含嗽薬は、水で用時希釈又は溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない

2.誤:口腔や咽頭の粘膜から吸収されることもあります。

3.誤:ヨウ素系殺菌消毒成分は乳汁中に移行することが知られているため、母乳を与える女性では、使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある

4.正

正答:4

問11 胃の不調及び胃腸に作用する薬に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 消化薬は、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とする医薬品である。

2 吐きけや嘔吐は、中脳にある嘔吐中枢の働きによって起こり、嘔吐中枢が刺激される経路には、消化管での刺激が副交感神経系を通じて嘔吐中枢を刺激する経路がある。

3 目的とする作用が異なる複数の成分を組み合わせたいわゆる総合胃腸薬には、制酸と健胃のように相反する作用を期待して、各成分が配合されている場合もある。

4 健胃薬、消化薬、整腸薬又はそれらの目的を併せ持つものには、医薬部外品として製造販売されている製品もある。

問11

1.正

2.誤:吐きけや嘔吐は、延髄にある嘔おう吐中枢の働きによって起こる。

3.正

4.正:「平成16年に医薬品から移行した新範囲医薬部外品」のリストには、「健胃薬」、「整腸薬」、「消化薬」に加え、「健胃消化薬」としてこれらの目的を併せ持つものが含まれています。

正答:2

問12 胃腸に作用する薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a ボレイ等の生薬成分は、それらに含まれるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムによる作用を期待して用いられる。

b カルシウムを含む成分については瀉下薬に配合される成分でもあり、下痢等の症状に注意することも重要である。

c リュウタンが配合された健胃薬は、散剤をオブラートで包む等、味や香りを遮蔽する方法で服用されると効果が期待できず、そのような服用の仕方は適当でない。

d かぜ薬には、制酸成分が配合されていることが多く、制酸薬との併用によって制酸作用が強くなりすぎる可能性がある。

  a b c d

1 正 誤 正 正

2 正 正 誤 誤

3 正 誤 誤 正

4 誤 誤 正 正

5 誤 正 正 誤

問12

a.誤:ボレイ(イタボガキ科のカキの貝殻を基原とする生薬)は、「それらに含まれる炭酸カルシウムによる作用を期待して用いられる」

b.誤:カルシウム、アルミニウムを含む成分については止瀉薬、マグネシウムを含む成分については瀉下薬に配合される成分でもあり、それぞれ便秘、下痢等の症状に注意する。

c.正

d.正

正答:4

問13 胃の薬に関する以下の記述について、(  )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、2か所の( a )内はいずれも同じ字句が入る。

胃液の分泌は( a )系からの刺激によって亢進することから、過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、( a )の伝達物質である( b )の働きを抑える( c )やピレンゼピン塩酸塩が配合されている場合がある。

   a      b        c

1 交感神経  アセチルコリン  アルジオキサ

2 交感神経  ノルアドレナリン ロートエキス

3 副交感神経 アセチルコリン  ロートエキス

4 副交感神経 ノルアドレナリン アルジオキサ

5 副交感神経 アセチルコリン  アルジオキサ

問13

a.副交感神経

b.アセチルコリン

c.ロートエキス

正答:3

問14 腸に作用する薬の成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 トリメブチンマレイン酸塩は、消化管(胃及び腸)の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用がある。

2 ロペラミド塩酸塩は、腸管の運動を亢進させる作用を示すため、胃腸鎮痛鎮痙薬と併用されることがある。

3 次硝酸ビスマスは、アルコールと一緒に摂取されると、循環血液中への移行が高まって精神神経症状を生じるおそれがある。

4 クレオソートのうち、石炭クレオソートは発がん性のおそれがあり、医薬品としては使用できない。

問14

1.正

2.誤:ロペラミド塩酸塩は腸管の運動を低下させる作用を示すので、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は避ける必要がある。

3.正

4.正

正答:2

問15 腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤のうち、体力に関わらず使用できるものはどれか。

1 麻子仁丸

2 大黄甘草湯

3 桂枝加芍薬湯

4 大黄牡丹皮湯

問15

1.誤:体力中等度以下で、ときに便が硬く塊状なものの便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常醗酵、痔じなどの症状の緩和に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

2.正:体力に関わらず使用できる。便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常発酵、痔じなどの症状の緩和に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

3.誤:体力中等度以下で、腹部膨満感のあるもののしぶり腹、腹痛、下痢、便秘に適すとされる。

4.誤:体力中等度以上で、下腹部痛があって、便秘しがちなものの月経不順、月経困難、月経痛、便秘、痔疾に適すとされる。

腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤としては、桂枝加芍薬湯、大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯、麻子仁丸等がある。
これらのうち、桂枝加芍薬湯及び大黄甘草湯は、構成生薬としてカンゾウを含む。また、大黄甘草湯、大黄牡丹皮湯及び麻子仁丸は、構成生薬としてダイオウを含む。

正答:2

問16 胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 抗コリン成分のうち、ブチルスコポラミン臭化物は作用が消化管に限定されるため、緑内障の診断を受けた人への使用が推奨される。

b パパベリン塩酸塩は、消化管の横紋筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すとされる。

c アミノ安息香酸エチルは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、高齢者への使用は禁忌とされる。

d オキセサゼインは、局所麻酔作用があり、痛みが感じにくくなるため、長期間使用されることが多い。

  a b c d

1 誤 正 正 誤

2 正 誤 正 誤

3 正 正 誤 正

4 誤 誤 正 正

5 誤 誤 誤 誤

問16

a.誤:抗コリン作用がある成分が配合された医薬品によって眼圧が上昇し(急性緑内障発作)、眼痛や眼の充血、急激な視力低下を来すことがあります

b.誤:パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接作用して胃腸の痙攣を鎮める作用を示すとされます。

c.誤:アミノ安息香酸エチルは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、6歳未満の小児への使用は避ける必要があります

d.誤:医薬品の長期連用は注意が必要とされます。

正答:5

問17 駆虫薬及び駆虫成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 駆虫薬は腸管内に生息する虫体にのみ作用し、虫卵には駆虫作用が及ばない。

b 駆虫効果が高まることを期待して、複数の駆虫薬を併用することがある。

c パモ酸ピルビニウムは、回虫の自発運動を抑える作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。

d カイニン酸を含む生薬成分として、マクリが配合されている場合もある。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,d ) 5( c,d )

問17

a.正

b.誤:駆虫薬は、一度に多く服用しても駆虫効果が高まることはなく、かえって副作用が現れやすくなるため、定められた1日の服用回数や服用期間を守って適正に使用されることが重要である。同様に、複数の駆虫薬を併用しても駆虫効果が高まることはなく、副作用が現れやすくなり、また、組合せによってはかえって駆虫作用が減弱することもある。

c.正誤:サントニンの記載。パモ酸ピルビニウムは、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされる。

d.正

正答:3

問18 強心薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 強心薬については一般に、5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、心臓以外の要因も考えられる。

b 苓桂朮甘湯には、強心作用を期待してシンジュが含まれている。

c ゴオウは、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。

d 一部の強心薬では、小児五疳薬の効能・効果を併せ持つものもあり、リュウノウは、中枢神経系に作用し、鎮静作用等を期待して配合される。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,d ) 5( c,d )

問18

a.正

b.誤:苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を構成する生薬は、茯苓、桂皮、白朮、甘草の4種類です。(手引きに構成生薬は記載なし)

c.正

d.誤:リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。

正答:2

問19 高コレステロール改善薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 リノール酸は、コレステロールと結合して、小腸におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。

2 リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなった場合は、使用を中止する必要がある。

3 高コレステロール改善薬は、結果的に生活習慣病の予防につながるものであるが、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品ではない。

4 ガンマ-オリザノールは、酵素により活性化され、糖質及び脂質の代謝に関与する細胞内の酸化還元系やミトコンドリアにおける電子伝達系に働く。

問19

1.誤:リノール酸は、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成し、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられます。

2.誤:ビタミンB2の摂取により尿が黄色くなることがありますが、これは使用の中止を要する異常ではありません。

3.正

4.誤:ビタミンB2(リボフラビン酪酸エステル等)の記載。ガンマ-オリザノールは、米油及び米胚芽油から見出された抗酸化作用を示す成分で、ビタミンE等と組み合わせて配合されている場合がある。

正答:3

問20 貧血用薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 鉄製剤を服用して便が黒くなることがあるが、鉄製剤の服用前から便が黒い場合は貧血の原因として消化管内で出血していることもあるため、服用前の便の状況との対比が必要である。

b 貧血を改善するため、ヘモグロビン産生に必要なビタミンB12や、正常な赤血球の形成に働くビタミンB6や葉酸などが配合されている場合がある。

c 鉄分の吸収は食後のほうが高いとされているため、鉄製剤は食後に服用することが多い。

d 月経血損失のある女性や鉄要求量の増加する妊婦は、鉄欠乏状態を生じやすく、予防的に貧血用薬を使用することが望ましい。

  a b c d

1 正 誤 誤 誤

2 正 誤 正 誤

3 正 正 誤 正

4 誤 誤 正 正

5 誤 正 誤 誤

問20

a.正

b.誤:貧血を改善するため、ヘモグロビン産生にはビタミンB6が、正常な赤血球の形成にはビタミンB12や葉酸が配合されることがあります。

c.誤:鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用することが望ましい。

d.誤:般用医薬品は症状がある場合に対処することが基本です。

正答:1

問21 痔・痔疾用薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 痔は、肛門付近の血管がうっ血し、肛門に負担がかかることによって生じる肛門の病気の総称で、その主な病態としては、痔核、裂肛、痔瘻がある。

b 一般用医薬品の痔疾用薬には、肛門部又は直腸内に適用する外用薬と内服して使用する内用薬がある。

c 痔に伴う痛み・痒みを和らげることを目的として、リドカイン塩酸塩等の局所麻酔成分が用いられる。

d ヒドロコルチゾン酢酸エステル等のステロイド性抗炎症成分は外用痔疾用薬には配合されない。

  a b c d

1 正 正 正 誤

2 正 誤 正 正

3 正 正 誤 正

4 誤 誤 誤 誤

5 誤 正 誤 正

問21

a.正

b.正

c.正

d.誤:による肛門部の炎症や痒みを和らげる成分として、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、プレドニゾロン酢酸エステル等のステロイド性抗炎症成分が配合されている場合がある。

正答:1

問22 以下の記述について、あてはまる漢方処方製剤はどれか。

体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみに適すとされる。

1 防已黄耆湯

2 十味敗毒湯

3 猪苓湯

4 四物湯

問22

1.誤:防已黄耆湯は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされる。

2.誤:十味敗毒湯は、体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、水虫に適すとされる。

3.正

4.誤:四物湯は、体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復に適すとされる。

正答:3

問23 婦人薬の適用対象となる体質・症状及び配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 月経痛について、年月の経過に伴って次第に増悪していくような場合や大量の出血を伴う場合には、子宮内膜症などの病気の可能性がある。

b 血の道症とは、臓器・組織の形態的異常があり、抑うつや寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態をいう。

c 人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオールは、女性ホルモンを補充するもので、膣粘膜又は外陰部に適用されるものがある。

d 女性ホルモン成分の摂取によって、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが考えられ、母乳を与える女性では使用を避けるべきである。

  a b c d

1 誤 正 誤 正

2 誤 誤 正 誤

3 正 正 正 誤

4 正 誤 正 正

5 正 誤 誤 正

問23

a.正

b.誤:血の道症は、臓器・組織の形態的異常がなく、抑うつや寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態。

c.正

d.正

正答:4

問24 以下のうち、鎮痛・鎮静のほか、女性の滞っている月経を促す作用を期待して婦人薬に配合される生薬成分として最も適するものはどれか。

1 サフラン

2 オウレン

3 カンゾウ

4 レイヨウカク

問24

1.正

2.誤:オウレンは、胃腸症状に対する効果を期待して配合されている。

3.誤:カンゾウは、抗炎症作用を期待して配合されている。

4.誤:レイヨウカクは、緊張や興奮を鎮める作用等を期待して配合されている。

正答:1

問25 アレルギーの症状及びアレルギー用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 肥満細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定のタンパク質(受容体)と反応することで、血管収縮作用を示す。

b 蕁麻疹は、アレルゲンとの接触以外に、皮膚への物理的な刺激等によってヒスタミンが肥満細胞から遊離して生じるものが知られている。

c 一般用医薬品のアレルギー用薬には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹の治療に用いることを目的とするものがある。

d メキタジンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a ,d ) 4( b,c ) 5( b,d )

問25

a.誤:肥満細胞から遊離したヒスタミンは、周囲の器官や組織の表面に分布する特定のタンパク質(受容体)と反応することで、血管拡張(血管の容積が拡張する)、血管透過性亢進(血漿タンパク質が組織中に漏出する)等の作用を示す。

b.正

c.誤:一般用医薬品のアレルギー用薬は、急性鼻炎やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、かゆみなどの一時的な症状緩和を目的とするものが主であり、アトピー性皮膚炎のような慢性湿疹の治療は専門的な医療機関での診断・治療が必要な症状とされます。

d.正

正答:5

問26 鼻炎・鼻に用いる薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 「花粉症」は、スギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるアレルギー性鼻炎のひとつである。

b スプレー式鼻炎用点鼻薬は、汚染を防ぐために容器はなるべく直接鼻に触れないようにするほか、他人と共有しないようにする必要がある。

c クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎には無効である。

d 鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として、ナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が用いられる。

a b c d

1 正 正 誤 誤

2 正 正 誤 正

3 誤 正 正 正

4 正 誤 正 誤

5 誤 誤 正 誤

問26

a.正

b.正

c.誤:クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト等のアレルゲンによるアレルギー性鼻炎の諸症状の緩和を目的として用いられる。

d.誤:鼻粘膜の過敏性や痛みや痒かゆみを抑えることを目的として、リドカイン、リドカイン塩酸塩等の局所麻酔成分が配合されている場合がある。ナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分は、主に血管収縮作用により鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として配合されます。

正答:1

問27 眼科用薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a スルファメトキサゾールは、細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として用いられる。

b ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを高めることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。

c 精製ヒアルロン酸ナトリウムは、角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。

d プラノプロフェンは、ステロイド性抗炎症成分であり、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。

a b c d

1 正 正 正 誤

2 正 誤 正 誤

3 正 誤 誤 正

4 誤 誤 正 正

5 誤 正 誤 誤

問27

a.正

b.誤:ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。

c.正

d.誤:プラノプロフェンは非ステロイド性抗炎症成分であり、炎症の原因となる物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。

正答:2

問28 痒み、腫れ、痛み等を抑える外皮用薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a ヒドロコルチゾン酢酸エステルは、末梢組織(患部局所)における炎症を抑える作用を示す。

b ハッカ油は、皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して配合される。

c 酸化亜鉛は、患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。

d フェルビナクは、内服で用いられる解熱鎮痛成分と異なり、喘息の副作用を引き起こす可能性がないため、喘息を起こしたことがある人でも避ける必要はない。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( b,c ) 4( b,d ) 5( c,d )

問28

a.正

b.誤:冷感刺激を与えることで痒みを感じにくくさせる効果を期待して、ハッカ油、l-メントール等が配合されている場合もある。」とあり、ハッカ油は冷感刺激を与える成分です。温感刺激を与える成分としてはカプサイシンが挙げられています。

c.正

d.誤:「フェルビナクが配合された外用鎮痛消炎薬」について、「喘息を起こしたことがある人」は「喘息発作を誘発するおそれがあるため」使用を避けるべきであると記載されています。

正答:2

問29 肌の角質化、かさつき等を改善する外皮用薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a サリチル酸は、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す。

b イオウは、角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す。

c 角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善することを目的として、尿素が用いられる。

d 角質軟化薬のうち、いぼに用いる製品については、医薬品としてのみ認められている。

1( a,b ) 2( a,d ) 3( b,c ) 4( b,d ) 5( c,d )

問29

a.誤:イオウの記載。サリチル酸は角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す。併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある。頭皮の落屑(ふけ)を抑える効果を期待して、毛髪用薬に配合されている場合もある。

b.誤:サリチル酸の記載。イオウは皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す。併せ
て抗菌、抗真菌作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある。

c.正:角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善することを目的として、グリセリン、尿素、白色ワセリン、オリブ油、ヘパリン類似物質等が用いられる。

d.正:角質軟化薬のうち、配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品につ
いては、医薬部外品(うおのめ・たこ用剤)として製造販売されているが、いぼに用いる製品については、医薬品としてのみ認められている。

正答:5

問30 抗菌作用を有する成分及び抗真菌作用を有する成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a スルファジアジン等のサルファ剤は、細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

b テルビナフィン塩酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。

c フラジオマイシン硫酸塩は、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

d ピロールニトリンは、菌の呼吸や代謝を妨げることにより、皮膚糸状菌の増殖を抑える。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,c ) 5( b,d )

問30

a.誤:バシトラシンの記載。スルファジアジン等のサルファ剤は、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

b.正

c.誤:サルファ剤の記載。フラジオマイシン硫酸塩はいずれも細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

d.正

正答:5

問31 頭皮・毛根に作用する外皮用薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 毛髪用薬のうち「円形脱毛症」の疾患名を掲げた効能・効果は、医薬品においてのみ認められている。

b 女性ホルモンによる脱毛抑制効果を期待して、女性ホルモン成分の一種であるエストラジオール安息香酸エステルが配合されている場合がある。

c カルプロニウム塩化物は、末梢組織においてアドレナリンに類似した作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。

d ヒノキチオールは、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられる。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,c ) 5( c,d )

問31

a.正

b.正

c.誤:カルプロニウム塩化物については、末梢組織においてアセチルコリンに類似した作用を示す。

d.誤:カシュウの記載。ヒノキチオールについては殺菌消毒作用や抗炎症作用が期待される。

正答:1

問32 歯痛・歯槽膿漏薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a カルバゾクロムは、齲蝕(むし歯)を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として用いられる。

b ジブカイン塩酸塩は、齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として用いられる。

c ビタミンE(トコフェロールコハク酸エステルカルシウム等)は、歯周組織の血行を促す効果を期待して配合されている場合がある。

d 銅クロロフィリンナトリウムは、炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用のほか、歯肉炎に伴う口臭を抑える効果も期待して配合されている場合がある。

  a b c d

1 正 正 誤 正

2 誤 誤 誤 正

3 正 誤 正 誤

4 誤 正 正 正

5 誤 正 誤 誤

問32

a.誤:カルバゾクロムは、毛細血管を補強・強化して出血を抑える止血効果を期待して配合される成分です。齲蝕における細菌繁殖を抑える目的では、フェノールやセチルピリジニウム塩化物等の殺菌消毒成分が用いられます。

b.正

c.正

d.正

正答:4

問33 以下の記述について、あてはまる漢方処方製剤はどれか。

体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく、便秘するものの蕁麻疹、口内炎、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

1 茵蔯蒿湯

2 当帰飲子

3 辛夷清肺湯

4 防風通聖散

問33

1.正

2.誤:当帰飲子は、体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、痒みに適すとされるが、胃腸が弱く下痢をしやすい人では、胃部不快感、腹痛等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

3.誤:辛夷清肺湯 は、体力中等度以上で、鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)に適すとされる。

4.誤:防風通聖散は、体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿のう症(副鼻腔炎)、湿疹しん・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

正答:1

問34 ニコチン及び禁煙補助剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を増強させるおそれがある。

b うつ病と診断されたことのある人は、禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させことがあるため、禁煙補助剤の使用を避ける必要がある。

c パッチ製剤は、1日1回皮膚に貼付することによりニコチンが皮膚を透過して血中に移行する。

d 咀嚼剤は、噛むことにより口腔内でニコチンが放出されるため、唾液が多く分泌されるよう菓子のガムのように噛むこととされている。

  a b c d

1 正 正 誤 正

2 正 正 正 誤

3 誤 正 正 正

4 誤 誤 正 正

5 誤 誤 誤 誤

問34

a.正

b.正

c.正

d.誤:咀嚼剤は、菓子のガムのように噛かむと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔くう粘膜からの吸収が十分なされず、また、吐きけや腹痛等の副作用が現れやすくなるため、ゆっくりと断続的に噛かむこととされている。

正答:2

問35 ビタミン成分及びアミノ酸成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a ビタミンCは、腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素である。

b ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用がある。

c アスパラギン酸ナトリウムは、アスパラギン酸が生体におけるエネルギーの産生効率を高めるとされ、骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す等の働きを期待して用いられる。

d システインは、髪や爪、肌などに存在するアミノ酸の一種で、皮膚におけるメラニンの生成を促進する働きがある。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( b,c ) 4( b,d ) 5( c,d )

問35

a.誤:ビタミンDの記載。ビタミンCは「皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素」 とされています。

b.正

c.正

d.誤:システインは髪や爪、肌などに存在するアミノ酸の一種で、皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す働き、また、肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドの代謝を促す働きがあるとされる。

正答:3

問36 生薬成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 カッコンは、マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬で、解熱、鎮痙等の作用を期待して用いられる。

2 レンギョウは、サルノコシカケ科のマツホドの菌核で、通例、外層をほとんど除いたものを基原とする生薬で、利尿、健胃、鎮静等の作用を期待して用いられる。

3 サイコは、セリ科のミシマサイコの根を基原とする生薬で、抗炎症、鎮痛等の作用を期待して用いられる。

4 サイシンは、ウマノスズクサ科のウスバサイシン又はケイリンサイシンの根及び根茎を基原とする生薬であるが、地上部には腎障害を引き起こすことが知られているアリストロキア酸が含まれている。

問36

1.正

2.誤:ブクリョウの記載。レンギョウはモクセイ科のレンギョウの果実を基原とする生薬で、鎮痛、抗菌等の作用を期待して用いられる。

3.正

4.正

正答:2

問37 殺菌消毒成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a クロルヘキシジングルコン酸塩は、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。

b 次亜塩素酸ナトリウムは、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。

c イソプロパノールは、ウイルスに対する不活性効果がエタノールよりも高い。

d 日本薬局方に収載されているクレゾール石ケン液は、原液を水で希釈して用いられるが、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないようにする必要がある。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( b,c ) 4( b,d ) 5( c,d )

問37

a.誤:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸等の有機塩素系殺菌消毒成分は、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩は一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない。

b.正

c.誤:イソプロパノールは、ウイルスに対する不活性効果がエタノールよりも低い。

d.正

正答:4

問38 衛生害虫及び殺虫剤・忌避剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 シラミは、シラミの種類ごとに寄生対象となる動物が決まっているため、ヒト以外の動物に寄生するシラミがヒトに寄生して直接的な害を及ぼすことはない。

2 イエダニは、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱等の重篤な病気を媒介する。

3 殺虫剤は人体に対する作用が強いため、すべて医薬品として製造販売されている。

4 忌避剤は人体に直接使用され、蚊やノミ等が人体に取り付いて吸血するのを防止することに加えて、虫さされによる痒みや腫れなどの症状を和らげる効果もある。

問38

1.正

2.誤:蚊(アカイエカ、シナハマダラカ等)は、吸血によって皮膚に発疹や痒みを引き起こすほか、日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱等の重篤な病気を媒介する。イエダニは、ネズミを宿主として移動し生息場所を広げていく。吸血による刺咬のため激しい痒みを生じる。また、発疹熱などのリケッチア、ペストなどを媒介する。

3.誤:殺虫剤・忌避剤のうち、人体に対する作用が緩和な製品については医薬部外品として製造販売されている。

4.誤:忌避剤は人体に直接使用されるが、蚊、ツツガムシ、トコジラミ(ナンキンムシ)、ノミ等が人体に取り付いて吸血したり、病原細菌等を媒介するのを防止するものであり、虫さされによる痒みや腫れなどの症状を和らげる効果はない。

正答:1

問39 殺虫剤に含まれる以下の成分のうち、有機リン系殺虫成分はどれか。

1 フェノトリン

2 ジクロルボス

3 プロポクスル

4 メトプレン

問39

1.誤:フェノトリンは、ピレスロイド系殺虫成分として挙げられています。

2.正:代表的な有機リン系殺虫成分として、ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、クロルピリホスメチル、プロペタンホス等がある。

3.誤:プロポクスルは、カーバメイト系殺虫成分として挙げられています。

4.誤:メトプレンは、幼虫が十分成長して蛹さなぎになるのを抑えているホルモン(幼若ホルモン)に類似した作用を有し、幼虫が蛹さなぎになるのを妨げる。

正答:2

問40 一般用検査薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 悪性腫瘍の診断に関係する検査薬には、医療用検査薬と一般用検査薬がある。

b 検体中に対象とする生体物質が存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合を偽陽性という。

c 妊娠検査薬は、尿中のヒト 絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の有無を調べるものであり、通常、実際に妊娠が成立してから12週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としている。

d 尿タンパク検査の場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動直後の尿は避ける必要がある。

1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d ) 4( b,d ) 5( c,d )

問40

a.誤:悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは一般用検査薬の対象外である。

b.正

c.誤:妊娠検査薬は通常、実際に妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出感度としている。

d.正

正答:4

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