令和6年度登録販売者試験問題【北陸・東海】  人体の働きと医薬品(午後)

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問1

消化器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収にも重要な役割を果たしている。

b 舌の表面には、舌乳頭という無数の小さな突起があり、味覚を感知する部位である味蕾が分布している。

c 食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く直径1~2cm の管状の器官で、消化液の分泌腺がある。

d 歯冠は、歯が口腔に露出している部分であり、表面はエナメル質で覆われ、体で最も硬い部分となっている。エナメル質の下には歯槽骨と呼ばれる硬い骨状の組織があり、神経や血管が通る歯髄を取り囲んでいる。

  a b c d

1 正 正 誤 誤

2 誤 正 正 誤

3 誤 誤 正 正

4 誤 誤 誤 正

5 正 誤 誤 誤

問1

a.正

b.正

c.誤:食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1~2cmの管状の器官で、消化液の分泌腺はない

d.誤:歯冠の表面はエナメル質で覆われ、体で最も硬い部分となっている。エナメル質の下に
象牙質と呼ばれる硬い骨状の組織があり、神経や血管が通る歯髄を取り囲んでいる。

正答:1

問2

胃及び小腸に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 空腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素が加わり、消化液として働く。

b 食道から胃に内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の横紋筋が弛緩し、容積が拡がる。

c 脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となる。

d 胃内に滞留する時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的長く、脂質分の多い食品の場合には比較的短い。

1(a、b)

2(a、c)

3(b、d)

4(c、d)

問2

a.正

b.誤:食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がる(胃適応性弛緩)。

c.正

d.誤:胃内にする滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長い

正答:2

問3

泌尿器系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 腎臓には内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。

b 尿は血液が濾過されて作られるため、健康な状態であれば細菌等の微生物は存在しない。

c 副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌される。

d 左右の腎臓と膀胱は尿道でつながっており、腎臓から膀胱を経て尿管に至る尿の通り道を尿路という。

1(a、b)

2(b、c)

3(c、d)

4(a、d)

問3

a.正

b.正

c.誤:アドレナリンとノルアドレナリンは副腎髄質(内側部分)で産生・分泌される

d.誤:左右の腎臓と膀胱は尿管でつながっており、腎臓から膀胱を経て尿道に至る尿の通り道を尿路という。

正答:1

問4

1~5のうち、肝臓の主な働きとして誤っているものはどれか。

1 ビタミンの貯蔵

2 胆汁の産生

3 アンモニアの代謝

4 必須アミノ酸の生合成

5 アルコールの代謝

問4

1.正:肝臓は、ビタミンA、D、B6、B12などの脂溶性および水溶性ビタミンの貯蔵臓器です。

2.正

3.正:肝臓は、体内に有害なアンモニアを尿素に代謝します。

4.誤:肝臓では、必須アミノ酸以外のアミノ酸を生合成することができる。必須アミノ酸は体内で作られないため、食品などから摂取する必要があるアミノ酸であり、ヒトの場合、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの9種がある。

5.正

正答:4

問5

循環器系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 心臓の内部は上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれており、心室で血液を集めて心房に送り、心房から血液を拍出する。

b 赤血球は骨髄で産生されるが、赤血球の数が少なすぎたり、赤血球中のヘモグロビン量が欠乏すると、血液は酸素を十分に供給できず、疲労や血色不良などの貧血症状が現れる。

c 四肢を通る動脈では血流が重力の影響を受けやすいため、一定の間隔で存在する内腔に向かう薄い帆状のひだが発達しており、血液の逆流を防いでいる。

d 毛細血管は、動脈と静脈の間をつなぐように体中の組織に細かく張り巡らされている細い血管であり、毛細血管の薄い血管壁を通して、酸素と栄養分が血液中から組織へ運び込まれ、それと交換に二酸化炭素や老廃物が組織から血液中へ取り込まれる。

1(a、b)

2(a、c)

3(b、d)

4(c、d)

問5

a.誤:心房で血液を集めて心室に送り、心室から血液を拍出する

b.正

c.誤:血液の逆流を防ぐ弁が発達しているのは静脈である。

d.正

正答:3

問6

白血球に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 種々の白血球が協働して、生体の免疫機能が発揮され、感染や炎症などが起きると全体の白血球数が増加するとともに、白血球の種類ごとの割合も変化する。

b 好中球は、白血球の約5%と少ないが最も大きく、強い食作用を持つ。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、組織の中ではマクロファージ(貪食細胞)と呼ばれる。

c リンパ球は、白血球の約1/3を占め、リンパ節、脾臓等のリンパ組織で増殖し、細菌、ウイルス等の異物を認識したり、それらに対する抗体を産生する。

d 単球は、最も数が多く、白血球の約60%を占めている。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。

  a b c d

1 誤 正 正 誤

2 正 誤 正 正

3 誤 正 誤 正

4 正 誤 正 誤

5 正 正 誤 正

問6

a.正

b.誤:単球の記載。好中球は、最も数が多く、白血球の約60%を占めています。

c.正

d.誤:好中球の記載。単球は、白血球の約5%と少ないが最も大きく、強い食作用を持つ細胞です。

正答:4

問7

目に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入る。

角膜に射し込んだ光は、( a )に焦点を結ぶが、主に( b )の厚みを変化させることによって、遠近の焦点調節が行われている。

( b )は、その周りを囲んでいる( c )の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。

  a  b   c

1 結膜 水晶体 眼筋

2 結膜 水晶体 毛様体

3 結膜 硝子体 毛様体

4 網膜 水晶体 毛様体

5 網膜 硝子体 眼筋

問7

a.網膜

b.水晶体

c.毛様体

正答:4

問8

第1欄の記述は、皮膚に関するものである。第1欄の記述に該当する組織として正しいものは第2欄のどれか。

第1欄

線維芽細胞とその細胞で産生された線維性のタンパク質(コラーゲン、フィブリリン、エラスチン等)からなる結合組織の層で、皮膚の弾力と強さを与えている。

第2欄

1 表皮

2 真皮

3 皮下組織

4 皮下脂肪層

5 角質層

問8

1.誤:表皮は最も外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられる。角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。

2.正:真皮は、線維芽細胞とその細胞で産生された線維性のタンパク質(コラーゲン、フィブリリン、エラスチン等)からなる結合組織の層で、皮膚の弾力と強さを与えている。また、真皮には、毛細血管や知覚神経の末端が通っている。

3.誤:皮下組織は、脂肪細胞が多く集まって皮下脂肪層となっている。

4.誤:皮下脂肪層は、外気の熱や寒さから体を守るとともに、衝撃から体を保護するほか、脂質としてエネルギー源を蓄える機能がある。

5.誤:角質層は表皮を構成している層で、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。

皮膚は、表皮(角質層、表皮細胞の層)、真皮、皮下組織(皮下脂肪層)の3層構造からなる。

正答:2

問9

骨格系及び筋組織に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 関節周囲を包む膜(滑膜)は軟骨の働きを助け、靱帯は骨を連結し、関節部を補強している。

b 骨格筋の疲労は、運動を続けることでエネルギー源として蓄えられている乳酸が減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、乳酸の代謝に伴って生成するグリコーゲンが蓄積して、筋組織の収縮性が高まる現象である。

c 骨にはリン等の無機質を蓄える機能や、骨格筋の収縮を効果的に体躯の運動に転換する機能がある。

d 心筋は、心臓壁にある筋層を構成する筋組織で、不随意筋であるが筋線維には骨格筋のような横縞模様があり、強い収縮力と持久力を兼ね備えている。

  a b c d

1 誤 正 正 誤

2 正 誤 正 正

3 誤 正 誤 正

4 正 誤 正 誤

5 正 正 誤 正

問9

a.正

b.誤:骨格筋の疲労は、運動を続けることで筋肉に貯蔵されているグリコーゲンが消費されるとともに、乳酸が蓄積して、筋組織の収縮性が低下する現象であるとされています。

c.正

d.正

正答:2

問 10

交感神経系が活発になっているとき、各臓器・器官(効果器)とその効果器に生じる主な反応との関係の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

(効果器)    (主な反応)

a 目      ― 瞳孔収縮

b 膀胱     ― 排尿筋の収縮

c 気管、気管支 ― 収縮

d 腸     ― 運動亢進

 a b c d

1 誤 誤 誤 正

2 誤 誤 正 誤

3 誤 正 誤 誤

4 正 誤 誤 誤

5 誤 誤 誤 誤

問10

a.誤:瞳孔は散大します。

b.誤:排尿筋の収縮は抑制されます。

c.誤:気管支は拡がります。

d.誤:胃腸の運動や分泌は抑制されます。

正答:5

問 11

薬の有効成分の吸収に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 内服薬は、小腸で有効成分が溶出するものが大部分である。

b 内服薬の有効成分は、主に大腸で吸収される。

c 坐剤や舌下錠のように、内服以外の用法で使用される医薬品には、適用部位から有効成分を吸収させて、全身作用を発揮させることを目的とするものがある。

d 一般用医薬品の点鼻薬は、鼻腔粘膜への局所作用を目的として用いられているが、鼻腔粘膜の下には毛細血管が豊富なため、点鼻薬の成分は循環血液中に移行しやすく、初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布するため、全身性の副作用を生じることがある。

1(a、b)

2(b、c)

3(c、d)

4(a、d)

問11

a.誤:内服薬は、胃や腸で崩壊し、有効成分が溶出することが薬効発現の前提となります。小腸が大部分ではない。

b.誤:内服薬の有効成分は、主に小腸で吸収される。

c.正

d.正

正答:3

問 12

薬の代謝及び排泄に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行し、その血液は全身循環に入る前に門脈という血管を経由して膵臓を通過するため、吸収された有効成分は、まず膵臓に存在する酵素の働きにより代謝を受ける。

b 循環血液中に存在する医薬品の有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。

c 医薬品の有効成分と血漿タンパク質の複合体は、腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。

d 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくいため、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。

  a b c d

1 誤 誤 正 正

2 正 誤 誤 正

3 正 正 誤 誤

4 正 正 正 誤

5 誤 正 正 正

問12

a.誤:消化管で吸収された医薬品の有効成分は、全身循環に入る前に門脈を経由して肝臓を通過し、肝臓で代謝を受けるものが多くあります。

b.正

c.正

d.正

正答:5

問 13

内服薬の剤形及び使用方法に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a チュアブル錠は、水なしで服用するとゼラチンが喉や食道に貼り付くことがあるため、必ず適切な量の水(又はぬるま湯)とともに服用する。

b 散剤、顆粒剤は、錠剤を飲み込むことが困難な人にとっては錠剤よりも服用しやすいが、口の中に広がって歯(入れ歯を含む。)の間に挟まったり、また、苦味や渋味を強く感じる場合がある。

c 経口液剤は、固形製剤よりも飲み込みやすく、また、既に有効成分が液中に溶けたり分散したりしているため、服用後、比較的速やかに消化管から吸収される。

d 口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用することができ、固形物を飲み込むことが困難な高齢者や乳幼児、水分摂取が制限されている場合でも、口の中で溶かした後に、唾液と一緒に容易に飲み込むことができる。

  a b c d

1 正 正 正 誤

2 正 正 誤 正

3 正 誤 正 正

4 誤 正 正 正

5 正 正 正 正

問13

a.誤:カプセル剤の記載。チュアブル錠は、口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる

b.正

c.正

d.正

正答:4

問 14

外用薬の剤形及び使用方法に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 軟膏剤は、水性の基剤であり、患部が乾燥していてもじゅくじゅくと浸潤していても使用できる。

2 クリーム剤は、油性基剤に水分を加えたものであり、皮膚への刺激が強いため傷等への使用は避ける必要がある。

3 外用液剤は、軟膏剤やクリーム剤に比べて、患部が乾きやすいという特徴があり、また、適用部位に直接的な刺激感等を与える場合がある。

4 貼付剤は、皮膚に貼り付けて用いる剤形であり、適用部位に有効成分が一定時間留まるため、薬効の持続が期待できる反面、適用部位にかぶれなどを起こす場合がある。

問14

1.誤:軟膏剤は、油性の基剤で皮膚への刺激が弱く、適用部位を水から遮断したい場合等に用い、患部が乾燥していてもじゅくじゅくと浸潤していても使用できる。

2.正

3.正

4.正

正答:1

問 15

医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 厚生労働省では「重篤副作用総合対策事業」の一環として、関係学会の専門家等の協力を得て、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」を作成し、公表している。

b 一般用医薬品による副作用は、長期連用のほか、不適切な医薬品の併用や医薬品服用時のアルコール飲用等が原因で起きる場合がある。

c 医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定に基づき、登録販売者は、医薬品の副作用等を知った場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、その旨を都道府県知事に報告しなければならないとされている。

d 医薬品は、十分注意して適正に使用された場合でも、副作用を生じることがある。副作用の早期発見・早期対応のためには、医薬品の販売等に従事する専門家が副作用の症状に関する十分な知識を身に付けることが重要である。

  a b c d

1 誤 正 正 誤

2 正 正 誤 正

3 正 誤 正 誤

4 誤 正 誤 正

5 正 誤 正 正

問15

a.正

b.正

c.誤:、登録販売者は、医薬品の副作用等を知った場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。

d.正

正答:2

問 16

全身的に現れる副作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種であり、一旦発症すると病態は急速に悪化することが多く、適切な対応が遅れるとチアノーゼや呼吸困難等を生じ、死に至ることがある。

2 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)は、発熱、発疹・発赤、火傷様の水疱等の症状が全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態であるが、致命的な転帰をたどることはない。また、皮膚粘膜眼症候群の症例の多くが中毒性表皮壊死融解症(TEN)の進展型とみられる。

3 医薬品により生じる肝機能障害が疑われた時点で、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、医師の診療を受けることが重要である。

4 偽アルドステロン症は、低身長、低体重など体表面積が小さい者や高齢者で生じやすく、原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合もある。また、複数の医薬品や、医薬品と食品との相互作用によって起きることがある。

問16

1.正

2.誤:生命に危険を及ぼす可能性があります。

3.正

4.正

正答:2

問 17

精神神経系に現れる副作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 眠気は比較的軽視されがちであるが、乗物や危険な機械類の運転操作中に眠気を生じると重大な事故につながる可能性が高いので、眠気を催すことが知られている医薬品を使用した後は、そのような作業に従事しないよう十分注意することが必要である。

2 精神神経症状は、医薬品の大量服用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に発生することがあるが、通常の用法・用量で発生することはない。

3 無菌性髄膜炎は、医薬品の副作用が原因の場合、早期に原因医薬品の使用を中止すれば、速やかに回復し、予後は比較的良好であることがほとんどであるが、重篤な中枢神経系の後遺症が残った例も報告されている。

4 心臓や血管に作用する医薬品により、頭痛やめまい、浮動感、不安定感等が生じることがあり、これらの症状が現れた場合は、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、症状によっては医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

問17

1.正

2.誤:通常の用法・用量でも発生しうる症状である。

3.正

4.正

正答:2

問 18

消化器系に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 腸管自体は閉塞していなくても、医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられると、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘などの症状が現れる。

b 医薬品の使用が原因と考えられるイレウス様症状(腸閉塞様症状)が悪化すると、腸内容物の逆流による嘔吐が原因で脱水症状を呈したり、腸内細菌の異常増殖によって全身状態の衰弱が急激に進行する可能性がある。

c 消化性潰瘍になると、胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐きけ、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れる。自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。

d 浣腸剤や坐剤の使用によって現れる一過性の症状に、肛門部の熱感等の刺激、異物の注入による不快感、排便直後の立ちくらみなどがある。

  a b c d

1 正 正 正 誤

2 正 正 誤 正

3 正 誤 正 正

4 誤 正 正 正

5 正 正 正 正

問18

a.正

b.正

c.正

d.正

正答:5

問 19

呼吸器系及び循環器系に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 間質性肺炎は、症状が一過性に現れ、自然と回復することもあるが、悪化すると肺線維症(肺が線維化を起こして硬くなる状態)に移行することがある。

b 息切れ、疲れやすい、足のむくみ、急な体重の増加、咳とピンク色の痰などを認めた場合は、うっ血性心不全の可能性を疑い、早期に医師の診療を受ける必要がある。

c アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症成分を含む内服薬の使用後、短時間(1時間以内)のうちに鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴及び呼吸困難を生じ、時間とともに悪化することがあるが、坐薬や外用薬の使用では、これらの症状が誘発されることはない。

d 副作用として現れる不整脈は、代謝機能の低下によって発症リスクが高まることがあるので、腎機能や肝機能の低下、併用薬との相互作用等に留意するべきである。

 a b c d

1 誤 正 正 誤

2 正 誤 正 正

3 誤 正 誤 正

4 正 誤 正 誤

5 正 正 誤 正

問19

a.正

b.正

c.誤:非ステロイド性抗炎症成分による喘息発作は、内服薬だけでなく、坐薬や外用薬などの全身吸収される剤形でも誘発される可能性があります。

d.正

正答:5

問 20

感覚器系及び皮膚に現れる副作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 抗コリン作用がある成分が配合された医薬品によって眼圧が低下し、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。

2 医薬品によっては、瞳の拡大(散瞳)による異常な眩しさや目のかすみ等の副作用が現れることがあるので、散瞳を生じる可能性のある成分が配合された医薬品を使用した後は、乗物や機械類の運転操作は避けなければならない。

3 接触皮膚炎は医薬品が触れた皮膚の部分にのみ生じ、正常な皮膚との境界がはっきりしているのが特徴である。アレルギー性皮膚炎の場合は、発症部位は医薬品の接触部位に限定されない。

4 薬疹は、医薬品によって引き起こされるアレルギー反応の一種で、発疹・発赤等の皮膚症状を呈する場合をいう。あらゆる医薬品で起きる可能性があり、同じ医薬品でも生じる発疹の型は人によって様々である。

問20

1.誤:眼圧を上昇させる。

2.正

3.正

4.正

正答:1

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