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問61 かぜ(感冒)及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a かぜは単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主に細菌が鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称で、通常は数日~1週間程度で自然寛解し、予後は良好である。
b かぜとよく似た症状が現れる疾患に、喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、髄膜炎、急性肝炎、尿路感染症等がある。
c 発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましい。
d かぜ薬に配合される生薬成分であるマオウは、メチルエフェドリン塩酸塩と同様の作用を示す。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 誤 正
5 正 誤 正 誤
問61
a.誤:かぜは単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称で、通常は数日~1週間程度で自然寛解し、予後は良好である。
b.正
c.正
d.正
正答:1
問62 かぜ薬(総合感冒薬)の配合成分とその配合目的の組合せのうち、正しいものの組合せはどれか。
配合成分 配合目的
a メキタジン ―――――――――― 発熱を鎮め、痛みを和らげる
b グリチルリチン酸二カリウム ―― 炎症による腫れを和らげる
c サリチルアミド ―――――――― 痰の切れを良くする
d ノスカピン ―――――――――― 咳を抑える
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問2
a.誤:メキタジンは抗ヒスタミン成分であり、鼻炎用内服薬に配合され、鼻炎症状の緩和を目的とします。
b.正
c.誤:サリチルアミドは解熱鎮痛成分であり、発熱を鎮め、痛みを和らげることを目的として配合されます。
d.正
正答:4
問63 解熱鎮痛薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。
b イソプロピルアンチピリンは、解熱及び鎮痛の作用は比較的強いが、抗炎症作用は弱いため、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合される。
c エテンザミドは、他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合してはならないとされている。
d アスピリン喘息は、アスピリン特有の副作用ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じる可能性がある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
問63
a.正
b.正
c.誤:エテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。例えば、アセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドの組合せは、それぞれの頭文字から「ACE処方」と呼ばれる。
d.正
正答:3
問64 鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 桂枝加朮附湯は、体力中等度で、痛みがあり、ときにしびれがあるものの関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛に適すとされるが、消化器系の副作用(食欲不振、胃部不快感等)が現れやすい等の理由で、胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きとされる。
b 釣藤散は、体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるものに適すとされるが、胃腸虚弱で冷え性の人には不向きとされる。
c 呉茱萸湯は、体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛、頭痛に伴う吐きけ・嘔吐、しゃっくりに適すとされる。
d 芍薬甘草湯は、体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛に適すとされる。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問64
a.誤:疎経活血湯の記載。桂枝加朮附湯は、体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛に適すとされるが、動悸、のぼせ、ほてり等の副作用が現れやすい等の理由で、のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人には不向きとされる。
b.正
c.正
d.誤: 桂枝加朮附湯の記載。芍薬甘草湯は、体力に関わらず使用でき、筋肉の急激な痙攣けいれんを伴う痛みのあるもののこむらがえり、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛に適すとされる。ただし、症状があるときのみの服用にとどめ、連用は避ける。
鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤としては、芍薬甘草湯、桂枝加朮附湯、桂枝加苓朮附湯、薏苡仁湯、麻杏薏甘湯、疎経活血湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、呉茱萸湯、 釣藤散等がある。
これらのうち、呉茱萸湯以外はいずれも構成生薬としてカンゾウを含んでいる。
正答:3
問65 眠気を促す薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に使用されず、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人に使用される。
b ブロモバレリル尿素を含有する催眠鎮静薬は、胎児に障害を引き起こさないため、妊婦の睡眠障害の緩和に適している。
c 妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。
d 柴胡加竜骨牡蛎湯は、体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの貧血、不眠症、精神不安、神経症に適すとされる。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正
問65
a.誤:抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に使用されるが、慢性的な不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人には使用されない。
b.誤:ブロモバレリル尿素を含有する催眠鎮静薬は、胎児障害の可能性があるため、妊婦の睡眠障害の緩和に使用を避けるべき。
c.正
d.誤:加味帰脾湯の記載。柴胡加竜骨牡蛎湯は、体力中等度以上で精神不安があって動悸、不眠、便秘などを伴う高血圧の随伴症状などに適すとされる。
正答:1
問66 眠気防止薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a カフェインの血中濃度が最高血中濃度の半分に低減するのに要する時間は、通常の成人が約3.5時間であるのに対して、乳児では約80時間と非常に長い。
b 授乳中の女性がカフェインを大量に摂取したり、カフェインを連用したりした場合には、乳児の体内にカフェインが蓄積して、頻脈や不眠等を引き起こす可能性がある。
c 成長期の小児の発育には睡眠が重要であることから、小児用の眠気防止薬はない。
d カフェインの眠気防止に関連しない作用として、腎臓におけるナトリウムイオン(同時に水分)の再吸収促進作用があり、尿量の増加(利尿)をもたらす。
a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 誤
問66
a.正
b.正
c.正
d.誤:カフェインは、腎臓においてナトリウムイオン(同時に水分)の再吸収を抑制し、尿量の増加(利尿)をもたらすとされています。
正答:5
問67 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ジフェニドール塩酸塩は、緑内障の診断を受けた人では、その症状を悪化させるおそれがある。
b スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である。
c ジプロフィリンは、脳への抑制作用により、平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として、配合されている。
d メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が長い。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、c)
5(c、d)
問67
a.正
b.誤:スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗コリン成分です。
c.誤:ジプロフィリンを含むキサンチン系成分は、中枢神経系を興奮させる作用を示します。
d.正
正答:3
問68 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 小児鎮静薬は、興奮状態を鎮めるため、血液の循環を抑制する作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。
b カンゾウは、主として健胃作用を期待して用いられるが、配合量は比較的少ないことから他の医薬品等から摂取されるグリチルリチン酸の量を注意する必要はない。
c 抑肝散を小児の夜泣きに用いる場合には、体質の改善に1か月位を要するため、症状の改善がみられないときでも、少なくとも1か月位は継続して服用すべきである。
d ジンコウは、鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 誤 誤 誤
問68
a.誤:小児鎮静薬に配合されるゴオウやジャコウは、緊張や興奮を鎮めるとともに、血液の循環を促す作用を期待して用いられます。
b.誤:カンゾウは小児の疳を適応症とする生薬製剤で健胃作用を期待して用いられ、配合量は少ないことが多いものの、他の医薬品等から摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意すべきであるとされています。
c.誤:小児の夜泣きに用いる場合、1週間位服用しても症状の改善がみられないときには、いったん服用を中止して、専門家に相談する等、その漢方処方製剤の使用が適しているかどうか見直すなどの対応が必要である。
d.正
正答:4
問69 鎮咳去痰薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩は、その作用本体がモルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性があり、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。
b メチルエフェドリン塩酸塩は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。
c グアイフェネシンは、粘液成分の含量比を調整し痰の切れをよくする作用を示す。
d ジプロフィリンは、自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる作用を示す。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 正 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正
問69
a.正
b.正
c.誤:カルボシステインの記載。グアイフェネシンは気道粘膜からの粘液分泌を促進する作用を示す去痰成分です。
d.正
正答:2
問70 鎮咳去痰薬に配合される生薬成分及び漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a キョウニンは、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされる。
b ナンテンジツは、ヒメハギ科のイトヒメハギの根を基原とする生薬で、去痰作用を期待して用いられる。
c 半夏厚朴湯は、体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、のどのつかえ感に適すとされる。
d 柴朴湯は、体力中等度以下で、痰が切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるもののから咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声に適すとされるが、水様痰の多い人には不向きとされる。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問70
a.正
b.誤:オンジの記載。ナンテンジツはメギ科のシロミナンテンまたはナンテンの果実を基原とする生薬で、咳止めに効果があるとされます。
c.正
d.誤:麦門冬湯の記載。朴湯は体力中等度で、気分がふさぎ、咽喉や食道部に異物感があり、かぜをひきやすく、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症、虚弱体質などに適すとされます。
正答:2
問71 口腔咽喉薬・うがい薬(含嗽薬)及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 駆風解毒湯は、体力に関わらず使用でき、喉が腫れて痛む扁桃炎、扁桃周囲炎に適すとされる。
b 噴射式の液剤では、息を吐いたり、声を出しながら噴射すると、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡らないおそれがあるため、息を吸いながら噴射することが望ましい。
c アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として、用いられる。
d クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬については、口腔内に傷やひどいただれのある人では、強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
問71
a.正
b.誤:噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐きながら噴射することが望ましい。
c.誤:アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は「炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して」用いられるとされている。
d.正
正答:1
問72 胃腸に作用する薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 制酸薬は、胃液の分泌抑制に伴う腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする。
b 消化薬は、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とする。
c 胃腸鎮痛鎮痙薬に配合されている成分は、胃腸以外に対する作用も示すものがほとんどであり、複数の胃腸鎮痛鎮痙薬が併用された場合、泌尿器系や循環器系、精神神経系などに対する作用(副作用)が現れやすくなる。
d 制酸成分と健胃成分は、同時に配合されることもある。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正
問72
a.誤:制酸薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする医薬品である。
b.正
c.正:胃腸鎮痛鎮痙薬に配合されている成分は抗コリン成分がおおい。
d.正
正答:4
問73 胃腸に作用する薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 炭酸水素ナトリウムなどの制酸成分を主体とする胃腸薬は、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下することが考えられるため、炭酸飲料での服用は適当でない。
b スクラルファートは、アルミニウムを含む成分であるため、透析を受けている人では使用を避ける必要がある。
c ソファルコンは、消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として配合される。
d ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示すとされる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
問73
a.正
b.正
c.誤:ジメチルポリシロキサン(別名ジメチコン)の記載。ソファルコンは胃粘膜保護・修復成分。
d.正:ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示すとされる。しかし、消化管以外では一般的な抗コリン作用のため、排尿困難、動悸、目のかすみの副作用を生じることがある。
正答:2
問74 止瀉薬の配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a オウバクは、収斂作用のほか、抗菌作用、抗炎症作用も期待して用いられる。
b ベルベリン塩化物は、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。
c ロペラミド塩酸塩は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢のほか、食あたりや水あたりによる下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。
d タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
問74
a.正:オウバク、オウレンは、収斂作用のほか、抗菌作用、抗炎症作用も期待して用いられる。
b.正:細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として、ベルベリン塩化物、タンニン酸
ベルベリン、アクリノール等が用いられる。
c.誤:ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としており、食あたりや水あたりによる下痢については適用対象でない。
d.正
正答:2
問75 瀉下薬の配合成分等に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 酸化マグネシウムは、腸内容物の浸透圧を高めることで糞便中の水分量を増し、また、大腸を刺激して排便を促すことを目的として配合されている場合がある。
b ヒマシ油は、腸内容物の急速な排除を目的として用いられ、急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示すため、防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒に使用するとよい。
c プランタゴ・オバタの種子又は種皮は、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに糞便を柔らかくすることによる瀉下作用を期待して用いられる。
d ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸で分解されることにより、大腸への刺激作用を示すようになる。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問75
a.正
b.誤:ヒマシ油は、主に誤食・誤飲等による中毒の場合など、腸管内の物質をすみやかに体外に排除させなければならない場合に用いられるが、防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要がある(ナフタレンやリン等がヒマシ油に溶け出して、中毒症状を増悪させるおそれがある)。
c.正:カルメロースナトリウムも同様の作用。
d.誤:ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸
内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
正答:2
問76 駆虫薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 一般用医薬品の駆虫薬は、腸管内に生息する虫体のほか、虫卵にも効果を示す。
b 複数の駆虫薬を併用することで、組合せによってはかえって駆虫作用が減弱することもある。
c 一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫、蟯虫及び条虫(いわゆるサナダ虫など)である。
d 食事を摂って消化管内に内容物があるときに一般用医薬品の駆虫薬を使用すると、消化管内容物の消化・吸収に伴って駆虫成分の吸収が高まることから、空腹時に使用することとされているものが多い。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問76
a.誤:駆虫薬は腸管内に生息する虫体にのみ作用し、虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫(回虫の場合)には駆虫作用が及ばない。
b.正
c.誤:一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫である。条虫(いわゆるサナダ虫など)や吸虫、鉤虫、旋毛虫、鞭虫等の駆除は、医療機関を受診して診療を受けるなどの対応が必要である。
d.正:駆虫薬はその有効成分(駆虫成分)が腸管内において薬効をもたらす局所作用を目的とする医薬品であり、消化管からの駆虫成分の吸収は好ましくない全身作用(頭痛、めまい等の副作用)を生じる原因となるため、極力少ないことが望ましい。食事を摂って消化管内に内容物があるときに使用すると、消化管内容物の消化・吸収に伴って駆虫成分の吸収が高まることから、空腹時
に使用することとされているものが多い。
正答:4
問77 心臓の働き、動悸き 、息切れに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 心臓は、血液を全身に循環させるポンプの働きを担っているが、通常、体性神経系によって調整がなされている。
b 酸素の供給が過多となり、呼吸運動によって取り込む空気の量を減らすことで、息切れが起こる。
c 心臓の働きが低下して十分な血液を送り出せなくなり、脈拍数を増やすことによってその不足を補おうとして動悸が起こる。
d 正常な健康状態では、興奮したときも動悸、息切れは発生しない。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 正 正 正 誤
問77
a.誤:脳や脊髄から体の各部へと伸びている末梢神経系は、その機能に着目して、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、消化管の運動や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のため無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。心臓は、自律神経系によって調整されています。
b.誤:息切れは酸素不足や呼吸機能の低下に関連する症状。
c.正
d.誤:興奮時にも動悸や息切れを感じることは生理的反応として知られています。
正答:1
問78 強心薬に配合される生薬成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれ か。
a センソは、有効域が比較的狭い成分であり、1日用量中センソ5mgを超えて含有する医薬品は劇薬に指定されており、一般用医薬品では、1日用量が5mg以下となるよう用法・用量が定められている。
b センソは、皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示し、センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛かみ砕くと舌が麻痺することがあるため、噛まずに服用することとされている。
c ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、 呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる作用があるとされる。
d シンジュは、ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 正 誤 誤 誤
問78
a.正
b.正
c.誤:ゴオウは、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝じゃ香腺分泌物を基原とする生薬で、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。
d.正
正答:1
問79 コレステロール及びリポタンパク質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a コレステロールは、水に溶けやすい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。
b コレステロールは、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質であり、コレステロールの産生及び代謝は、主として膵臓で行われる。
c 血液中の低密度リポタンパク質(LDL)が多く、高密度リポタンパク質(HDL)が少ないと、心臓病や肥満、動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなる。
d 血漿中のリポタンパク質のバランスの乱れは、生活習慣病を生じる以前の段階では自覚症状を伴わないことが多い。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
問79
a.誤:コレステロールは、水に溶けにくい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在します。
b.誤:コレステロールの産生及び代謝は、主として肝臓で行われます。
c.正
d.正
正答:5
問80 循環器用薬に配合されるユビデカレノンに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンAとともに働く。
b 心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされ、軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し越えたときに起こる動悸、息切れ、むくみの症状に用いられる。
c 副作用として、胃部不快感、食欲減退、吐きけ、下痢、発疹・痒みが現れることがある。
d ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問80
a.誤:肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンB群とともに働く。別名コエンザイムQ10とも呼ばれる。
b.正
c.正
d.誤:ヘプロニカート、イノシトールヘキサニコチネートの作用。
正答:3
問81 次の表は、ある一般用医薬品の貧血用薬に含まれている成分の一覧である。この貧血用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
1日量(1錠)中
溶性ピロリン酸第二鉄 79.5mg
ビタミンC 50mg
ビタミンE酢酸エステル 10mg
ビタミンB12 50μg
葉酸 1mg
a 鉄分の吸収は、空腹時のほうが高いため、食前に服用することが望ましい。
b 本剤に配合されている葉酸は、正常な赤血球の形成に働くことを期待して配合されている。
c 本剤に配合されているビタミンB12は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられている。
d 鉄欠乏性貧血を予防するため、貧血の症状がみられる以前から継続的に本剤を使用することが適当である。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 正 正 正
問81
a.誤:鉄分の吸収は空腹時のほうが高く摂取されるとされていますが、消化器系への副作用を軽減するためには、食後に服用することが望ましいとされています。
b.正
c.誤:ビタミンC(アスコルビン酸等)の記載。ビタミンB12は正常な赤血球の形成に働くことを目的として配合されます。
d.誤:一般用医薬品は軽度な症状の改善や予防を目的としていますが、症状がみられない段階からの継続的な使用や、過剰摂取は副作用のリスクを高める可能性があります。
正答:4
問82 次の医薬品成分のうち、痔疾用薬に用いられるステロイド性抗炎症成分はどれか。
1 トコフェロール酢酸エステル
2 デカリニウム塩化物
3 ナファゾリン塩酸塩
4 プレドニゾロン酢酸エステル
5 クロルフェニラミンマレイン酸塩
問82
1.誤:トコフェロール酢酸エステルはビタミンEの一種で、肛門周囲の末梢血管の血行を促す目的で配合されます。
2.誤:デカリニウム塩化物は殺菌消毒成分である。
3.誤:ナファゾリン塩酸塩はアドレナリン作動成分で、血管収縮作用による止血効果を期待して配合されます。
4.正:プレドニゾロン酢酸エステルは痔に伴う炎症や痒みを和らげる目的で配合されるステロイド性抗炎症成分である。
5.誤:クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン成分である。
正答:4
問83 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れに適すとされるが、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要があり、また、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
1 温清飲
2 八味地黄丸
3 五積散
4 猪苓湯
5 竜胆瀉肝湯
問83
1.誤:温清飲(うんせいいん) 体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎に適すとされます。
2.正
3.誤:五積散(ごしゃくさん) 体力中等度又はやや虚弱で、冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされます。
4.誤:猪苓湯(ちょれいとう) 体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみに適すとされます。
5.誤:竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう) 体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけに適すとされます。
正答:2
問84 婦人薬及びその適用対象となる体質・症状に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 月経の約10~3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、抑うつなどの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という。
b 桃核承気湯は、体力中等度又はやや虚弱で、冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされ、構成生薬としてマオウを含む。
c 四物湯は、体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復に適すとされる。
d 女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる漢方処方製剤として、温経湯、柴胡桂枝乾姜湯があるが、これらは構成生薬としてカンゾウを含んでいる。
a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 誤
問84
a.正
b.誤:五積散の記載。桃核承気湯は、体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔じ疾、打撲症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
構成生薬としてダイオウを含む。
c.正
d.正:女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる主な漢方処方製剤として、温経湯、温清飲、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、四物湯、桃核承気湯、当帰芍薬散等がある。
これらのうち、温経湯、加味逍遙散、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、桃核承気湯は構成生薬としてカンゾウを含む。
正答:3
問85 内服アレルギー用薬に配合される次の成分のうち、抗ヒスタミン成分の組合せはどれか。
a ヨウ化イソプロパミド
b ロラタジン
c グリチルリチン酸
d ケトチフェンフマル酸塩
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)
問85
a.誤:れは抗コリン成分であり、鼻炎用内服薬において鼻腔内の粘液分泌を抑える目的で配合される場合があります。
b.正
c.誤:これは抗炎症成分であり、皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげる目的で配合される場合があります。
d.正
正答:5
問86 鼻炎用点鼻薬の配合成分とその配合目的の組合せの正誤について、正しい組合せはどれか。
配合成分 配合目的
a クロモグリク酸ナトリウム ―――――― 鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止する
b テトラヒドロゾリン塩酸塩 ―――――― 鼻粘膜の充血や腫れを和らげる
c リドカイン塩酸塩 ―――――――――― 鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑える
d クロルフェニラミンマレイン酸塩 ――― ヒスタミンの働きを抑えることにより、くしゃみや鼻汁等の症状を緩和する
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正
問86
a.誤:クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉症などのアレルギー性鼻炎の症状緩和を目的として配合されます。
b.正
c.正
d.正
正答:4
問87 眼科用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 一般的に、点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より少ない。
b 点眼後は、数秒間、眼瞼(まぶた)を閉じて、目頭を押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込み、効果的とされる。
c 洗眼薬は、目の洗浄、眼病予防(水泳のあと、 埃や汗が目に入ったとき等)に用いられるもので、主な配合成分として涙液成分のほか、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分等が用いられる。
d 人工涙液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れやコンタクトレンズ装着時の不快感等には用いられない。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 正 正
5 正 正 誤 誤
問87
a.誤:1滴の薬液の量は約50μL であるのに対して、結膜嚢の容積は30μL 程度とされている。
b.誤:点眼後に目頭を押さえるのは、涙点から薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぎ、全身への吸収を抑えて局所作用を高めることを目的とします。
c.正
d.誤:人工涙液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。
正答:3
問88 外皮用薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合、抗真菌成分が配合された医薬品を使用することが適当である。
b フェルビナクは、殺菌作用があり、皮膚感染症に対して使用されている。
c イブプロフェンピコノールは、にきび治療薬に用いられるが、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。
d 非ステロイド性抗炎症成分のケトプロフェンは、妊婦又は妊娠していると思われる女性では、使用を避けるべきである。
1(a、b)
2(a、d)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問88
a.誤:湿疹とみずむし等の初期症状は類似していることが多く、湿疹しんに抗真菌作用を有する成分を使用すると、かえって湿疹の悪化を招くことがある。陰嚢のうに痒かゆみ・ただれ等の症状がある場合は、湿疹等の他の原因による場合が多い。湿疹しんか皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合に、抗真菌成分が配合された医薬品を使用することは適当でない。
b.誤:フェルビナクは非ステロイド性抗炎症成分であり、主に鎮痛消炎作用を目的として用いられます。
c.正:イブプロフェンピコノールは、イブプロフェンの誘導体であるが、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、吹き出物(面皰)の拡張を抑える作用があるとされ、専らにきび治療薬として用いられる。
d.正
正答:5
問89 外皮用薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a カシュウは、タデ科のツルドクダミの塊根を基原とする生薬で、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられる。
b 尿素は、角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善することを目的として用いられる。
c バシトラシンは、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。
d 中黄膏は、急性化膿性皮膚疾患(腫れ物)の初期、打ち身、捻挫に適すとされ、湿潤、ただれ、火傷又は外傷のひどい場合、傷口が化膿している場合、患部が広範囲の場合には不向きとされている。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 正 正 正 誤
5 正 正 正 正
問89
a.正
b.正
c.誤:サルファ剤の記載。バシトラシンは細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示します。
d.正
正答:3
問90 外皮用薬に配合されるサリチル酸メチルの作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と同様の化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物として、抗炎症作用をもたらす。
2 主として局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺を起こすことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられている。
3 肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑える作用を示す。
4 末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、血管の拡張による血行促進作用をもたらす。
5 患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。
問90
1.誤:副腎皮質ホルモンと同様の化学構造を持つのはステロイド性抗炎症成分です。
2.正
3.誤:これは抗ヒスタミン成分の作用です。
4.誤:これはコリン作動性成分の作用です。
5.誤:これは酸化亜鉛などの収斂・皮膚保護成分の作用です。
正答:2
問91 外皮用薬に配合される抗真菌成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ビホナゾールは、副作用としてかぶれ、腫れ、刺激感等が現れることがあり、イミダゾール系成分が配合されたみずむし薬でかぶれたことがある人は避けるべきである。
b ブテナフィン塩酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。
c ピロールニトリンは、菌の呼吸や代謝を妨げることにより、皮膚糸状菌の増殖を抑える。
d ウンデシレン酸亜鉛は、皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、その増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げ、その増殖を抑える。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
問91
a.正:オキシコナゾール硝酸塩、ネチコナゾール塩酸塩、ビホナゾール、スルコナゾール硝酸塩、エコナゾール硝酸塩、クロトリマゾール、ミコナゾール硝酸塩、チオコナゾール等は、イミダゾール系の抗真菌薬と呼ばれ、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。
b.正:アモロルフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。
c.正:ピロールニトリンは、菌の呼吸や代謝を妨げることにより、皮膚糸状菌の増殖を抑える。単独での抗真菌作用は弱いため、他の抗真菌成分と組み合わせて配合される。
d.誤:シクロピロクスオラミンの記載。ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛は、患部を酸性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える。
正答:1
問92 歯痛・歯槽膿漏薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ラタニアは、クラメリア科のクラメリア・トリアンドラ及びその同属植物の根を基原とする生薬で、咽頭粘膜をひきしめる(収斂)作用により炎症の寛解を促す効果を期待して用いられる。
b チモールは、歯の齲蝕(むし歯)により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮める。
c カミツレは、キク科のカミツレの頭花を基原とする生薬で、抗炎症、抗菌などの作用を期待して用いられる。
d アラントインは、炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用を期待して用いられる。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 誤 正 正 誤
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 正
問92
a.正
b.誤:チモールは口腔咽喉薬や皮膚に用いる薬の「殺菌消毒成分」として挙げられている。齲う 蝕しょく により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テーカイン等の局所麻酔成分が用いられる。
c.正
d.正
正答:3
問93 禁煙補助剤(咀嚼剤)及びその配合成分に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。なお、2箇所の( a )内にはどちらも同じ字句が入る。
口腔内が( a )になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーなど口腔内を( a )にする食品を摂取した後しばらくは使用を避けることとされている。また、ニコチンは( b )を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用により、その作用を( c )させるおそれがある。なお、禁煙補助剤は、喫煙を( d )使用することとされている。
a b c d
1 酸性 副交感神経系 増強 完全には止めずに
2 酸性 交感神経系 増強 完全に止めたうえ
3 アルカリ性 副交感神経系 減弱 完全には止めずに
4 アルカリ性 交感神経系 増強 完全には止めずに
5 アルカリ性 副交感神経系 減弱 完全に止めたうえ
問93
a.酸性:ニコチンはアルカリ性で吸収されやすく、酸性環境では吸収が低下します。コーヒーは酸性の飲料です。
b.交感神経系
c.増強
d.完全に止めたうえ:喫煙を完全に止めたうえで使用することが目的とされています。
正答:2
問94 滋養強壮保健薬に配合される生薬成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ニンジン、ジオウ、トウキ、センキュウが既定値以上配合されている生薬主薬保健薬については、虚弱体質、肉体疲労、病中病後(又は、病後の体力低下)のほか、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症における滋養強壮の効能が認められている。
b コウジンは、神経系の興奮や副腎皮質の機能亢進等の作用により、外界からのストレス刺激に対する抵抗力や新陳代謝を高めるとされる。
c ハンピは、イネ科のハトムギの種皮を除いた種子を基原とする生薬で、肌荒れやいぼに用いられる。
d 医薬部外品の保健薬は、有効成分や分量が人体に対する作用が緩和なものに限られ、カシュウ、ゴオウ、ゴミシ、ロクジョウ等の生薬成分が配合されている。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤
問94
a.正
b.正
c.誤:ハンピ(反鼻。ニホンマムシ等の皮及び内臓を取り除いたものを基原とする生薬)は、強壮、血行促進、強精(性機能の亢こう進)等の作用を期待して用いられる。
d.誤:医薬部外品の保健薬は配合成分や分量は人体に対する作用が緩和なものに限られ、カシュウ、ゴオウ、ゴミシ、ジオウ、ロクジョウ等の生薬成分については、医薬品においてのみ認められている。
正答:1
問95 滋養強壮保健薬の配合成分とその配合目的とする作用の組合せのうち、誤っているものはどれか。
配合成分 配合目的とする作用
1 システイン ―――――――――― 肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドの代謝を促す
2 ビタミンB6 ――――――――― 皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持
3 グルクロノラクトン ―――――― 肝臓の働きを助け、肝血流を促進する
4 ビオチン ――――――――――― 皮膚や粘膜などの機能を維持することを助ける
5 ナイアシン ―――――――――― 骨格筋に溜まった乳酸の分解を促す
問95
1.正
2.正
3.正
4.正
5.誤:アスパラギン酸ナトリウムの記載。ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
正答:5
問96 生薬成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ブクリョウは、セリ科のSaposhnikovia divaricata Schischkin の根及び根茎を基原とする生薬で、発汗、解熱、鎮痛、鎮痙等の作用を期待して用いられる。
b サイシンは、ミズキ科のサンシュユの偽果の果肉を基原とする生薬で、強壮作用を期待して用いられることがある。
c サイコは、セリ科のミシマサイコの根を基原とする生薬で、抗炎症、鎮痛等の作用を期待して用いられる。
d モクツウは、キンポウゲ科のCimicifuga dahurica Maximowicz、Cimicifuga heracleifolia Komarov、Cimicifuga foetida Linné 又はサラシナショウマの根茎を基原とする生薬で、発汗、解熱、解毒、消炎等の作用を期待して用いられる。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 正 誤
問96
a.誤:ボウフウの記載。ブクリョウはサルノコシカケ科のマツホドの菌核を基原とする生薬で、利尿、健胃、鎮静等の作用を期待して用いられる。
b.誤:サンシュユの記載。サイシンは、ウマノスズクサ科のウスバサイシン又はケイリンサイシンの根及び根茎を基原とする生薬であるが、地上部には腎障害を引き起こすことが知られているアリストロキア酸が含まれている。
c.正
d.誤:ショウマの記載。モクツウは、アケビ科のアケビ又はミツバアケビの蔓性の茎を、通例、横切りしたものを基原とする生薬であるが、中国等では、アリストロキア酸を含有するキダチウマノスズクサを用いたものがモクツウとして流通していることがある。
正答:5
問97 漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。
b 防已黄耆湯、防風通聖散、大柴胡湯は、肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤であり、肥満症全般に適するとされている。
c 漢方処方製剤を利用する場合、患者の「証」に合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる。
a b c
1 誤 誤 誤
2 誤 正 正
3 正 誤 正
4 正 正 誤
5 誤 誤 正
問97
a.正
b.誤:どのような肥満症にも適すわけではない。防已黄耆湯は「体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥胖症、いわゆる水ぶとり」に適すとされ、体力の充実している人には不向きとされています。防風通聖散は「体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなもの」に適すとされ、体の虚弱な人、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人には不向きとされています。大柴胡湯は「体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるもの」に適すとされています。
c.正
正答:3
問98 殺菌消毒成分の「殺菌消毒作用又はその性質」と「殺菌消毒作用を示す微生物等」に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
殺菌消毒成分 殺菌消毒作用又はその性質 殺菌消毒作用を示す微生物等
a アクリノール 黄色の色素で、比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくい。 一般細菌類、真菌類、ウイルス全般
b サラシ粉 強い酸化力により殺菌消毒作用を示す。 一般細菌類、真菌類、ウイルス全般
c レゾルシン 陽性界面活性成分により殺菌消毒作用を示す。 真菌類
d セチルピリジニウム塩化物 皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある。 大部分のウイルス
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 誤 誤 誤
問98
a.誤:アクリノールは、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿のう菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。
b.正:次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などの塩素系殺菌消毒成分は、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。
c.誤:細菌や真菌類のタンパク質を変性させることにより殺菌消毒作用を示す。レゾルシンについては、角質層を軟化させる作用もあり、にきび用薬やみずむし・たむし用薬などに配合されている場合がある。
d.誤:、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物は、陽性界面活性成分で、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌又はカンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。結核菌やウイルスには効果がない。
正答:2
問99 衛生害虫の種類と防除及び殺虫剤の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ハエの防除の基本は、ウジの防除であり、ウジの防除法としては、通常、有機リン系殺虫成分が配合された殺虫剤が用いられる。
b プロポクスルは、有機塩素系殺虫成分で、アセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示し、一般に有機リン系殺虫成分に比べて毒性が高い。
c トコジラミは、シラミの一種でなくカメムシ目に属する昆虫で、ナンキンムシとも呼ばれ、床や壁の隙間、壁紙の裏、畳の敷き合わせ目、ベッド等に潜伏する。
d 屋内塵性ダニは、完全に駆除することは困難であるため、増殖させないということを基本に防除が行われることが重要である。
a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問99
a.正
b.誤:プロポクスルは、カーバメイト系殺虫成分。有機リン系殺虫成分と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示すが、有機リン系殺虫成分と異なり、アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的である。ピレスロイド系殺虫成分に抵抗性を示す害虫の駆除に用
いられる。一般に有機リン系殺虫成分に比べて毒性は低い。
c.正
d.正
正答:3
問100 一般用検査薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 生体から採取された検体には、予期しない妨害物質や化学構造がよく似た物質が混在することがあり、いかなる検査薬においても偽陰性・偽陽性を完全に排除することは困難である。
b 尿糖・尿タンパク検査薬は、長い間尿に浸していると検出成分が溶け出してしまい、正確な検査結果が得られなくなることがある。
c 尿糖検査の場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、尿タンパク検査の場合、食後2~3時間を目安に採尿を行う。
d 妊娠検査薬は、検査操作を行う場所の室温が極端に高いか、又は低い場合にも、正確な検査結果が得られないことがある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
問100
a.正
b.正
c.誤:「尿糖検査の場合、食後1~2時間等、検査薬の使用方法に従って採尿を行う」、「尿タンパクの場合、原則として早朝尿(起床直後の尿)を検体とし、激しい運動の直後は避ける必要がある」
d.正
正答:3
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