令和6年度登録販売者試験問題【北関東・甲信越】 主な医薬品とその作用(午後)

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【問61】 かぜ及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a かぜは、生体に備わっている免疫機構によってウイルスが消滅すれば自然に治癒するため、安静にして休養し、栄養・水分を十分に摂ることが基本である。

b かぜは単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。

c かぜ薬は、かぜの諸症状の緩和のほか、ウイルスの増殖抑制や体内からの除去を目的として使用される医薬品の総称である。

  a b c

1 誤 正 誤

2 正 誤 誤

3 誤 正 正

4 正 誤 正

5 正 正 誤

問61

a.正

b.正

c.誤:ウイルスの増殖抑制や体内からの除去を目的とはしていません。

正答:5

【問62】 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。

体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

1 麻黄湯

2 小青竜湯

3 小柴胡湯

4 柴胡桂枝湯

問62

麻黄湯の記載。(「体力充実して~」はマオウが含まれている可能性が高い。)

正答:1

【問63】 解熱鎮痛成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a アセトアミノフェンには血液を凝固しにくくさせる作用があり、医療用医薬品として、血栓ができやすい人に対する血栓予防薬の成分としても用いられる。

b イソプロピルアンチピリンは、解熱及び鎮痛の作用は比較的強いが、抗炎症作用は弱いため、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合される。

c アスピリンはイブプロフェンに比べて胃腸への悪影響が少ない。

d エテンザミドは、水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっている 15 歳未満の小児に対しては使用を避ける必要がある。

  a b c d

1 正 誤 正 誤

2 正 誤 正 正

3 誤 正 誤 正

4 正 正 誤 誤

5 誤 正 正 正

問63

a.誤:アスピリンの記載。

b.正

c.誤:アセトアミノフェンの記載。

d.正

正答:3

【問64】 眠気を促す薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられる。

b 小児及び若年者では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮が現れることがある。

c ジフェンヒドラミン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分の中でも眠気を促す作用が特に強い。

d 神経の興奮緩和や緊張緩和を期待してホップが配合されている製品がある。

 a b c d

1 正 正 正 正

2 正 正 正 誤

3 正 正 誤 正

4 正 誤 正 正

5 誤 正 正 正

問64

a.正

b.正

c.正

d.正:興奮や緊張を鎮める作用を期待して、チョウトウコウ、ホップ、カノコソウ、パッシフローラ等の生薬成分が配合されている製品がある。

正答:1

【問65】 眠気を防ぐ薬(眠気防止薬)とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 眠気防止薬には、眠気を抑える成分として、チアミン塩化物塩酸塩が配合されている場合がある。

b カフェインは、腎臓におけるナトリウムイオンの再吸収促進作用があり、尿量の減少をもたらす。

c かぜ薬やアレルギー用薬を使用したことによる眠気を抑えるために、眠気防止薬を使用するのは適切ではない。

 a b c

1 誤 正 誤

2 正 誤 誤

3 誤 誤 正

4 正 誤 正

問65

a.誤:眠気防止薬の主な有効成分はカフェインです。チアミン塩化物塩酸塩はビタミンB1の一種であり、肉体疲労時などの栄養補給に用いられますが、眠気を抑える成分としては配合されません。

b.誤:水分の再吸収抑制作用による利尿作用を示す。尿量が増加する。

c.正

正答:3

【問66】 ブロモバレリル尿素を含む医薬品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 反復して摂取しても依存を生じることはない。

b 胎児に障害を引き起こす可能性があるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきである。

c 酒とともに服用すると、その薬効や副作用が増強されるおそれがある。

d 使用した後は乗物や危険を伴う機械類の運転操作は避けるべきである。

  a b c d

1 正 正 正 正

2 正 正 正 誤

3 誤 正 誤 正

4 正 誤 正 正

5 誤 正 正 正

問66

a.誤:反復して摂取すると薬物依存を生じるおそれがあるとされています。

b.正

c.正:ブロモバレリル尿素は鎮静作用を持つ成分であり、アルコールとの併用によりその作用が増強される可能性が高いです。

d.正

正答:5

【問67】 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に含まれている成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 眠気を促す作用があるため、乗物の運転操作をするときは、抗コリン成分を含む乗物酔い防止薬の使用を控える必要がある。

b ジフェニドール塩酸塩は、抗ヒスタミン成分と共通する類似の薬理作用を示し、海外では制吐薬やめまいの治療薬として使われてきた。

c メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが早く、持続時間が長いため、乗物酔い防止薬に配合されることが多い。

d スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗ヒスタミン成分と比べて作用の持続時間が長い。

1(a、b)

2(a、d)

3(b、c)

4(c、d)

問67

a.正

b.正

c.正誤:メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く、持続時間が長いため、予防的に使用される場合に適しているとされています。

d.誤:スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗ヒスタミン成分に比べて作用が現れるのが早く、持続時間は短いとされています。

正答:1

【問68】 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 小児鎮静薬は、夜泣き、ひきつけ、疳の虫等の症状を鎮めるほか、小児における虚弱体質、消化不良などの改善を目的とする医薬品である。

b 小児鎮静薬を保護者側の安眠を図ることを優先して使用することは適当ではない。

c ジンコウは、ウシ科のサイカレイヨウ等の角を基原とする生薬で、緊張や興奮を鎮める作用等を期待して用いられる。

  a b c

1 正 誤 誤

2 正 正 誤

3 誤 正 正

4 正 誤 正

問68

a.正

b.正

c.誤:レイヨウカクの記載。ジンコウは、ジンチョウゲ科の植物の材に樹脂が沈着した部分を基原とする生薬。

正答:2

【問69】 鎮咳去痰薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ジプロフィリンは、自律神経系を介して気管支の平滑筋を弛緩させ、気管支を拡張させる。

b ノスカピンは、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれ、長期連用や大量摂取によって多幸感が現れることがあり、薬物依存につながるおそれがある。

c カルボシステインは、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させる。

d トラネキサム酸は、気道の炎症を和らげることを目的として配合されている。

  a b c d

1 正 正 正 誤

2 正 正 誤 正

3 正 誤 誤 誤

4 誤 正 正 正

5 誤 誤 正 正

問69

a.誤:ジプロフィリン等のキサンチン系成分は、気管支の平滑筋に直接働いて弛緩させ、気管支を拡張させる作用を示し、自律神経系を介さないとされています。

b.誤:ノスカピンは非麻薬性鎮咳成分であり、依存性はないと明記されています。麻薬性鎮咳成分で依存性があるのは、コデインリン酸塩水和物やジヒドロコデインリン酸塩です。

c.正

d.正

正答:5

【問70】 次の記述にあてはまる鎮咳去痰薬に配合される生薬成分として、最も適切なものはどれか。

ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部を基原とする生薬で、鎮咳、去痰、滋養強壮等の作用を期待して用いられる。

1 シャゼンソウ

2 キキョウ

3 バクモンドウ

4 ゴミシ

5 セネガ

問70

1.誤:シャゼンソウはオオバコ科の植物を基原とし、果実や全草が用いられます。

2.誤:キキョウはキキョウ科の植物の根を基原とし、痰や咳に用いられます。

3.正:バクモンドウは、ユリ科のジャノヒゲ(別名オオバジャノヒゲ)の根の膨大部(塊根)を基原とする生薬であり、鎮咳、去痰、滋養強壮などの作用が期待されます。

4.誤:ゴミシはマツブサ科の植物の果実を基原とし、鎮咳作用が期待されます。

5.誤:セネガはイトヒメハギ科の植物の根を基原とします

正答:3

【問71】 口腔咽喉薬及びうがい薬(含嗽薬)とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ポビドンヨードが配合された含嗽薬は、その使用によって銀を含有する歯科材料(義歯等)を変色させることがある。

b アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させることやその増殖を抑えることを目的として用いられる。

c クロルヘキシジン塩酸塩は、炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して用いられる。

d 日本薬局方収載の複方ヨード・グリセリンは、グリセリンにヨウ化カリウム、ヨウ素等を加えたもので、喉の患部に塗布して殺菌・消毒に用いられる。

  a b c d

1 正 誤 正 誤

2 正 正 誤 正

3 誤 正 誤 誤

4 正 誤 誤 正

5 誤 誤 正 誤

問71

a.正

b.誤:アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)は、主に炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用や抗炎症作用を期待して用いられます。

c.誤:クロルヘキシジン塩酸塩は、細菌や真菌類に対して比較的広範な殺菌消毒作用を示す成分として用いられます。

d.正

正答:4

【問72】 強心薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 強心薬は、疲労やストレス等による軽度の心臓の働きの乱れについて、心臓の働きを整えて、動悸や息切れ等の症状の改善を目的とする医薬品である。

b ロクジョウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬である。

c ゴオウは、強心作用のほか、末梢血管の収縮による血圧上昇等の作用があるとされる。

d センソは、一般用医薬品で1日用量を5 mg以下となるよう用法・用量が定められている。

  a b c d

1 正 誤 正 正

2 誤 正 誤 正

3 正 正 誤 誤

4 正 誤 誤 正

5 誤 正 正 誤

問72

a.正

b.誤:ジャコウの記載。ロクジョウは、シカ科の Cervus nippon Temminck、Cervus elaphus Linné、Cervuscanadensis Erxleben 又はその他同属動物の雄鹿の角化していない幼角を基原とする生薬。

c.誤:ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢のう中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。

d.正

正答:4

【問73】 高コレステロール改善薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a パンテチンは、高密度リポタンパク質(HDL)の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高める作用がある。

b リボフラビンの摂取によって尿が黄色くなった場合、直ちに使用を中止する必要がある。

c 高コレステロール改善薬の服用は、食事療法、運動療法の補助的な位置づけである。

  a b c

1 正 誤 正

2 誤 誤 正

3 誤 正 誤

4 正 誤 誤

問73

a.誤:パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)などの異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めることで、高密度リポタンパク質(HDL)の産生を高める作用があるとされています。

b.誤:ビタミンB2(リボフラビン)の摂取により尿が黄色くなることがありますが、これは一般的に生理的な変化であり、直ちに使用を中止する必要はありません。

c.正

正答:2

【問74】 貧血用薬(鉄製剤)とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 鉄製剤を服用すると、便が黒くなることがある。

b マンガンは、ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。

c ビタミンCは、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。

d 鉄製剤の服用の前後30分にタンニン酸を含む緑茶やコーヒー等を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が促進される。

  a b c d

1 正 誤 正 誤

2 誤 誤 正 正

3 正 正 誤 誤

4 正 誤 誤 正

5 誤 正 正 誤

問74

a.正

b.誤:銅の記載。マンガンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成物質。コバルトは赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分。

c.正

d.誤:服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがあるので、服用前後はそれらの摂取
を控えること。

正答:1

【問75】 循環器用薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 日本薬局方収載のコウカを煎じて服用する製品は、冷え症及び血色不良に用いられる。

b ヘプロニカートは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。

c ルチンは、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示す。

d 三黄瀉心湯は、構成生薬としてダイオウを含み、本剤を使用している間は、瀉下薬の使用を避ける必要がある。

  a b c d

1 正 誤 正 誤

2 誤 正 誤 正

3 正 正 誤 誤

4 正 誤 誤 正

5 誤 誤 正 誤

問75

a.正

b.誤:ルチンの記載。ヘプロニカートはニコチン酸が遊離し、末梢の血液循環を改善する作用を示します。

c.誤:ヘプロニカートやイノシトールヘキサニコチネートの記載。ルチンは毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられます。

d.正

正答:4

【問76】 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。

体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

1 四物湯

2 桃核承気湯

3 当帰芍薬散

4 牛車腎気丸

5 八味地黄丸

問76

1.誤:四物湯は、体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

2.正

3.誤:当帰芍薬散は、体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸きなどを訴えるものの月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦けん怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴りに適すとされるが、胃腸の弱い人では、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

4.誤:牛車腎気丸は、体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、胃部不快感、腹痛、のぼせ、動悸き等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

5.誤:八味地黄丸は、体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れに適すとされるが、胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要があり、また、のぼせが強く赤ら顔で体力の充実し
ている人では、のぼせ、動悸き等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

正答:2

【問77】 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服液を含む。)及びアレルギー症状に対する受診勧奨に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 一般用医薬品のアレルギー用薬は、長期の連用は避け、5~6日間使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

b 一般用医薬品(漢方処方製剤を含む。)には、アトピー性皮膚炎による慢性湿疹等の治療に用いることを目的とするものはないことから、アトピー性皮膚炎が疑われる場合やその診断が確定している場合は、医師の受診を勧めることが重要である。

c 皮膚感染症(たむし、疥癬等)により、湿疹やかぶれ等に似た症状が現れることがある。その場合には、皮膚感染症そのものに対する対処よりも、アレルギー用薬によって一時的に痒み等の緩和を図ることを優先する必要がある。

d 医薬品が原因となってアレルギー症状を生じることもあり、使用中に症状が悪化・拡大したような場合には、医薬品の副作用である可能性を考慮し、その医薬品の服用を中止して、医療機関を受診するなどの対応が必要である。

  a b c d

1 正 誤 誤 誤

2 正 正 誤 正

3 誤 誤 正 誤

4 誤 正 誤 正

5 誤 正 正 誤

問77

a.正

b.正

c.誤:その場合には皮膚感染症そのものに対する対処が優先されるべきです。

d.正

正答:2

【問78】 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ジフェンヒドラミン塩酸塩は、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要がある。

b プソイドエフェドリン塩酸塩は、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある。

c ベラドンナ総アルカロイドは、鼻腔内の刺激を伝達する交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として配合される。

 a b c

1 正 正 正

2 誤 正 正

3 正 誤 正

4 正 正 誤

問78

a.正

b.正:交感神経刺激作用により、尿の貯留・尿閉を生じるおそれがあるため。

c.誤:ベラドンナ総アルカロイドは、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑える。

正答:4

【問79】 鼻に用いる薬の配合成分とその配合目的との関係の正誤について、正しい組合せはどれか。

     配合成分         配合目的

a ナファゾリン塩酸塩    ― 鼻粘膜の充血や腫れを和らげる

b クロモグリク酸ナトリウム ― 鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止する

c リドカイン        ― 鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑える

d ケトチフェンフマル酸塩  ― くしゃみや鼻汁等の症状を緩和する

  a b c d

1 正 正 誤 正

2 正 正 誤 誤

3 正 誤 正 正

4 誤 誤 正 正

5 誤 正 正 誤

問79

a.正

b.誤:クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギーの原因となる化学伝達物質(ヒスタミン等)の遊離を抑える作用を示します。

c.正

d.正

正答:3

【問80】 一般用検査薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 検査に用いる検体は、尿、糞便、血液、鼻汁、唾液、涙液など採取が容易なものである。

b 悪性腫瘍の早期発見にも用いられる。

c 販売を行う際には、専門的診断におきかわるものでないことについてわかり易く説明する。

d 検体中の対象物質の濃度が極めて低いため検出反応が起こらずに、検査結果が陰性となった場合を偽陽性という。

  a b c d

1 正 誤 誤 正

2 誤 正 正 誤

3 誤 誤 正 誤

4 誤 正 誤 正

5 正 正 誤 誤

問80

a.誤:検査に用いる検体は、尿、糞便、鼻汁、唾液、涙液など、採取に際して侵襲(採血や穿刺等)のないものとされています。血液は採血を伴うため、一般用検査薬の検体には含まれません。

b.誤: 悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など重大な疾患の診断に関係するものは、一般用検査薬の対象外

c.正

d.誤:検体中に存在していないにもかかわらず、検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合を「偽陽性」と定義されています。

正答:3

【問81】 胃腸に作用する薬の成分について次のうち、胃粘膜の炎症を和らげることを目的として配合されているものはどれか。

1 プロザイム

2 センブリ

3 セルラーゼ

4 スクラルファート

5 カンゾウ

問81

1.誤:「消化成分」であり、炭水化物、脂質、タンパク質、繊維質等の分解に働く酵素を補うことを目的として配合されます。

2.誤:「健胃作用」を期待して用いられる生薬です。

3.誤:「消化成分」であり、炭水化物、脂質、タンパク質、繊維質等の分解に働く酵素を補うことを目的として配合されます。

4.誤:「胃粘膜保護・修復成分」であり、胃粘液の分泌を促す、胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する、荒れた胃粘膜の修復を促す等の作用を期待して配合されています。

5.正

正答:5

【問82】 胃腸に作用する薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 消化を助け、胃もたれを改善し、胃をすっきりさせる効果を主とする製剤は、食間や就寝前の服用のものが多い。

b センナ、センノシドは、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、乳児に下痢を生じるおそれがある。

c 制酸薬は、胃内容物の刺激によって分泌促進される胃液から胃粘膜を保護することを目的として服用されるが、暴飲暴食による胸やけ、吐きけ、嘔吐等の症状を予防するものではない。

  a b c

1 正 正 誤

2 正 誤 誤

3 誤 正 正

4 誤 正 誤

5 誤 誤 正

問82

a.誤:消化を助け、胃もたれを改善し、胃をすっきりさせる効果を主とする製剤(消化薬)は、通常、食後や食事とともに服用されることが多いです。食間や就寝前の服用は、主に健胃薬や胃酸を中和する目的の制酸薬の一部で見られることがありますが、消化を助ける薬の主な服用タイミングとしては適切ではありません。

b.正

c.正

正答:3

【問83】 腸の不調に対する受診勧奨に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 瀉下薬が手放せなくなっているような慢性の便秘については、漫然と継続使用するよりも、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

b 過敏性腸症候群の便通障害のように下痢と便秘が繰り返し現れるものがあり、症状が長引くような場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

c 便秘の時に腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症の可能性があるため、安易に瀉下薬を使用せずに医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

  a b c

1 正 正 誤

2 正 誤 正

3 正 正 正

4 誤 誤 誤

問83

a.正

b.正

c.正

正答:3

【問84】 腸の薬の配合成分とその作用との関係の正誤について、正しい組合せはどれか。

   配合成分      作用

a ビサコジル      - 瀉下

b ベルベリン塩化物   - 瀉下

c ヒマシ油       - 止瀉

d タンニン酸アルブミン - 止瀉

  a b c d

1 正 誤 誤 正

2 正 正 誤 誤

3 正 誤 正 誤

4 誤 正 正 正

5 誤 正 誤 正

問84

a.正

b.誤:止瀉作用。

c.誤:瀉下作用。

d.正

正答:1

【問85】 胃腸鎮痛鎮痙薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 下痢に伴う腹痛については、基本的に下痢への対処が優先され、胃腸鎮痛鎮痙薬の適用となる症状でない。

b オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用があるとされ、妊娠中や小児における安全性も確立されている。

c パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すとされる。

  a b c

1 正 正 誤

2 正 誤 正

3 正 誤 誤

4 誤 正 正

問85

a.正

b.誤:オキセサゼインは局所麻酔作用を有しますが、胃液分泌を抑える作用は見出されていません。また、妊娠中や小児における安全性は確立されていません。特に、一般用医薬品では小児向けのオキセサゼイン含有製品はありません。

c.正:抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用は見出されない。抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないが、眼圧を上昇させる作用を示す
ことが知られている。

正答:2

【問86】 胃腸鎮痛鎮痙薬に含まれている成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなるおそれがあるため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。

b ブチルスコポラミン臭化物は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることが知られている。

c アミノ安息香酸エチルは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、15歳未満の小児への使用は避ける必要がある。

d 抗コリン成分のうち、オキシフェンサイクリミン塩酸塩は、副交感神経系の働きを抑える作用が消化管に限定される。

1(a、b)

2(a、c)

3(a、d)

4(b、c)

5(b、d)

問86

a.正

b.正

c.誤:6歳未満の小児への使用は避ける必要がある。

d.誤:抗コリン成分の作用は消化管に限定されません。

正答:1

【問87】 浣腸薬及び駆虫薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 浣腸薬を繰り返し使用すると、直腸の感受性の低下が生じて効果が弱くなる。

b 複数の駆虫薬を併用すると駆虫効果が高まる。

c カイニン酸は、回虫に痙攣を起こさせる作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。

  a b c

1 正 正 誤

2 誤 誤 誤

3 正 誤 正

4 誤 正 正

問87

a.正

b.誤:一般的に、複数の医薬品の併用は相互作用のリスクを高める可能性があります。

c.正

正答:3

【問88】 次の表は、ある外用痔疾用薬に含まれている成分の一覧である。

1g 中

プレドニゾロン酢酸エステル 1 mg

リドカイン 30 mg

クロルフェニラミンマレイン酸塩 2 mg

アラントイン 10 mg

トコフェロール酢酸エステル 30 mg

セチルピリジニウム塩化物水和物 2 mg

ナファゾリン塩酸塩 0.3 mg

この外用痔疾用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 痔による肛門部の炎症や痒みを和らげる成分として、プレドニゾロン酢酸エステルが配合されている。

b この医薬品に配合されているリドカインは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。

c 血管収縮作用による止血効果を期待して、クロルフェニラミンマレイン酸塩が配合されている。

d 痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して、アラントインが配合されている。

  a b c d

1 正 正 正 誤

2 正 正 誤 正

3 正 誤 正 誤

4 誤 正 誤 誤

5 誤 誤 誤 正

問88

a.正

b.正

c.誤:ナファゾリンの記載。クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン成分であり、痔に伴う痒みを和らげることを目的として用いられます。

正答:2

【問89】 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。

体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるものの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、痒み、夜尿症、しびれに適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

1 猪苓湯

2 六味丸

3 清上防風湯

4 桂枝茯苓丸

問89

1.誤:体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみに適すとされる

2.正

3.誤:体力中等度以上で、赤ら顔で、ときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)に適すとされるが、胃腸の弱い人では食欲不振、胃部不快感の副作用が現れやすい等、不向きとされる。構成生薬としてカンゾウを含む。

4.誤:比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴え
るものの、月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹しん・皮膚炎、にきびに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)では不向きとされる。

正答:2

【問90】 眼科用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の症状を改善できるものはない。

b 別の人が使用している点眼薬は、容器の先端が睫毛(まつげ)に触れる等して中身が汚染されている可能性があるため、共用は避ける必要がある。

c 一般点眼薬は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。

 a b c

1 正 誤 正

2 正 正 誤

3 誤 正 正

4 誤 誤 誤

問90

a.正

b.正

c.誤:人工涙液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。一般点眼薬は、目の疲れや痒かゆみ、結膜充血等の症状を抑える成分が配合されているものである。

正答:2

【問91】 眼科用薬の配合成分とその配合目的との関係について、正しいものの組合せはどれか。

   配合成分             配合目的

a 硫酸亜鉛水和物        - 結膜嚢の洗浄・消毒

b コンドロイチン硫酸ナトリウム - 角膜の乾燥を防ぐ

c グリチルリチン酸二カリウム  - 眼粘膜の組織修復を促す

d ネオスチグミンメチル硫酸塩  - 目の調節機能を改善する

1(a、b)

2(a、c)

3(b、c)

4(b、d)

5(c、d)

問91

a.誤:硫酸亜鉛水和物は、眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成し、外部の刺激から保護する収斂作用を期待して配合されます。結膜嚢の洗浄・消毒を目的とする成分としては、ホウ酸が挙げられています。

b.正

c.誤:グリチルリチン酸二カリウムは、比較的緩和な抗炎症作用を示す成分として用いられます。眼粘膜の組織修復を促す作用は、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)アラントインに期待されます。

d.正

正答:4

【問92】 皮膚に用いる薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a スプレー剤は強い刺激を生じるおそれがあるため、目の周囲へ使用する場合は、患部から十分離して噴霧することが望ましい。

b 塗り薬は薬剤を容器から直接指に取り、患部に塗布したあと、また指に取ることを繰り返し、患部に塗布することが望ましい。

c 外皮用薬を使用する際には、適用する皮膚表面に汚れや皮脂が多く付着していると有効成分の浸透性が低下するため、患部を清浄にしてから使用することが重要である。

  a b c

1 誤 誤 正

2 正 正 正

3 正 誤 誤

4 誤 正 誤

問92

a.誤:スプレー剤は、強い刺激を生じるおそれがあるため、目の周囲や粘膜(口唇等)への使用は避けることとされている。

b.誤:剤を容器から直接指に取り、それを繰り返す行為は、残りの薬剤の汚染につながるため、衛生上望ましくありません。いったん手の甲などに必要量を取ってから患部に塗布することが望ましい。

c.正

正答:1

【問93】 次のうち、ステロイド性抗炎症成分として、正しいものの組合せはどれか。

a デキサメタゾン

b ケトプロフェン

c インドメタシン

d ヒドロコルチゾン酪酸エステル

1(a、b)

2(a、d)

3(b、c)

4(b、d)

5(c、d)

問93

a.正:ステロイド性抗炎症成分として挙げられています。

b.誤:非ステロイド性抗炎症成分として挙げられています。

c.誤:非ステロイド性抗炎症成分として挙げられています。

d.正

正答:2

【問94】 次のビタミンのうち、歯槽膿漏薬において、歯周組織の血行を促す効果を期待して配合されているものはどれか。

1 ビタミンA

2 ビタミンB1

3 ビタミンC

4 ビタミンE

5 ビタミンK1

問94

1.誤:ビタミンAは、視力調整、皮膚や粘膜の健康維持。

2.誤:ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生、神経の正常な働き、腸管運動促進。

3.誤:ビタミンCは、抗酸化作用、皮膚や粘膜の機能維持、メラニン産生抑制。

4.正

5.誤:ビタミンK1は、一般的には血液凝固に関与します。

正答:4

【問95】 禁煙補助剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 咀嚼剤は、菓子のガムのように噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれるため、吐きけや腹痛等の副作用が現れにくい。

b ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を増強させるおそれがある。

c うつ病と診断されたことのある人では、禁煙時の離脱症状により、うつ症状を悪化させることがあるため、禁煙補助剤の使用を避ける必要がある。

d ニコチン離脱症状を軽減しながら、徐々に禁煙補助剤の使用量を減らしていくこととし、初めから無理に減らそうとしないほうが、結果的に禁煙達成につながる。

  a b c d

1 正 誤 正 誤

2 正 誤 誤 正

3 誤 正 正 正

4 誤 正 誤 誤

5 誤 誤 誤 正

問95

a.誤:咀嚼剤は、菓子のガムのように噛かむと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液とともに飲み込まれてしまい、口腔くう粘膜からの吸収が十分なされず、また、吐きけや腹痛等の副作用が現れやすくなるため、ゆっくりと断続的に噛かむこととされている。

b.正

c.正

d.正

正答:3

【問96】 滋養強壮保健薬の配合成分とその配合目的との関係の正誤について、正しい組合せはどれか。

    配合成分           配合目的

a アスコルビン酸ナトリウム  - 目の乾燥感、夜盲症の症状の緩和

b トコフェロール酢酸エステル - 手足のしびれ・冷え、しもやけの症状の緩和

c チアミンジスルフィド    - 神経痛、筋肉痛・関節痛の症状の緩和

d ピリドキシン塩酸塩     - 目の充血、目の痒みの症状の緩和

  a b c d

1 誤 正 正 誤

2 誤 誤 誤 正

3 正 誤 誤 誤

4 誤 正 正 正

5 正 正 誤 正

問96

a.誤:アスコルビン酸(ビタミンC)は、肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時、または中高年期のビタミンCの補給を目的として配合されます。目の乾燥感や夜盲症の症状緩和は、主にビタミンA(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)の配合目的とされています

b.正

c.正

d.誤:ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)は、アミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成に関与し、目の疲れ等の症状を改善する効果を期待して用いられます。目の充血、目の痒みの症状緩和には、主にビタミンB2(リボフラビンリン酸エステルナトリウム等)が用いられるとされています。

正答:1

【問97】 漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。

b 漢方処方は、処方全体としての適用性等、その性質からみて処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきものである。

c 一般用医薬品に用いることが出来る漢方処方製剤においては、「しばり」(使用制限)という漢方の専門用語を使用することを避け、「証」として記載が行われている。

  a b c

1 誤 正 誤

2 正 誤 正

3 誤 正 正

4 正 正 誤

5 正 誤 誤

問97

a.正

b.正

c.誤:一般用であることを考慮して、『証』という漢方の専門用語を使用することを避け、『しばり』(使用制限)として記載が行われている。

正答:4

【問98】 生薬成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a サイコは、セリ科のミシマサイコの根を基原とする生薬で、抗炎症、鎮痛等の作用を期待して用いられる。

b ブクリョウは、サルノコシカケ科のマツホドの菌核で、通例、外層をほとんど除いたものを基原とする生薬で、利尿、健胃、鎮静等の作用を期待して用いられる。

c ブシは、マメ科のクズの周皮を除いた根を基原とする生薬で、解熱、鎮痙等の作用を期待して用いられる。

d カッコンは、キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を期待して用いられる。

 a b c d

1 正 正 誤 誤

2 正 誤 正 正

3 正 誤 正 誤

4 誤 正 正 正

5 誤 誤 誤 誤

問98

a.正

b.正

c.誤:カッコンの記載。

d.誤:ブシの記載。

正答:1

【問99】 消毒薬とその成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a イソプロパノールは、ウイルスに対する不活性効果がエタノールよりも高い。

b 器具等の殺菌・消毒を目的とする製品は、医薬部外品として流通することが認められている。

c ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。

d 次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などの塩素系殺菌消毒成分は、金属腐食性があるとともに、プラスチックやゴム製品を劣化させる。

1(a、c)

2(a、d)

3(b、c)

4(b、d)

5(c、d)

問99

a.誤:イソプロパノールは、ウイルスに対する不活性効果はエタノールよりも低い。

b.誤:器具等の殺菌・消毒を併せて目的とする製品については、医薬品としてのみ製造販売さ
れている。

c.正:ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸等の有機塩素系殺菌消毒
成分は、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。

d.正:次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などの塩素系殺菌消毒成分は、強い酸化力により一般細
菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示すが、皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。金属腐食性があるとともに、プラスチックやゴム製品を劣化させる。

正答:5

【問100】 次の記述にあてはまる衛生害虫の防除を目的とする殺虫剤の成分として、最も適切なものはどれか。

アセチルコリンを分解する酵素と不可逆的に結合してその働きを阻害することにより殺虫作用を示す。

1 ダイアジノン

2 メトキサジアゾン

3 ペルメトリン

4 メトプレン

5 オルトジクロロベンゼン

問100

1.正

2.誤:プロポクスルに代表されるカーバメイト系殺虫成分、メトキサジアゾンに代表されるオキ
サジアゾール系殺虫成分は、いずれも有機リン系殺虫成分と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示すが、有機リン系殺虫成分と異なり、アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的である。

3.誤:主なピレスロイド系殺虫成分として、ペルメトリン、フェノトリン、フタルスリン等がある。このうちフェノトリンは、殺虫成分で唯一人体に直接適用されるものである(シラミの駆除を目的とする製品の場合)。殺虫作用は、神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害することによるものである。

4.誤:メトプレンやピリプロキシフェンは、幼虫が十分成長して蛹さなぎになるのを抑えているホルモン(幼若ホルモン)に類似した作用を有し、幼虫が蛹さなぎになるのを妨げる。蛹さなぎにならずに成虫になる不完全変態の昆虫やダニには無効である。

5.誤:有機塩素系殺虫成分(DDT等)は、日本ではかつて広く使用され、感染症の撲滅に大き
な効果を上げたが、残留性や体内蓄積性の問題から、現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除の目的で使用されているのみとなっている。
殺虫作用は、ピレスロイド系殺虫成分と同様、神経細胞に対する作用に基づくものである。

代表的な有機リン系殺虫成分として、ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、クロルピリホスメチル、プロペタンホス等がある。殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害することによる。

正答:1

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