令和6年度登録販売者試験問題【北海道・東北】 人体の働きと医薬品(午後)

他の問題・解説はこちらへ→ 一 覧

問1 次の1~5で示される消化器系臓器のうち、小腸の一部である臓器はどれか。

1 S状結腸

2 直腸

3 盲腸

4 回腸

5 虫垂

問1

大腸は盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器である。

正答:4

問2 消化酵素に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。

1 マルターゼは、胃で半消化されたタンパク質をさらに細かく消化する。

2 ペプシンは、タンパク質を消化する酵素である。

3 唾液アミラーゼは、タンパク質をアミノ酸まで分解する。

4 トリプシンは、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する。

問2

1.誤:トリプシンの記載。マルターゼは炭水化物を単糖類まで分解する酵素。

2.正

3.誤:エレプシンの記載。

4.誤:唾液アミラーゼの記載。

正答:2

問3 消化器系に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 唾液は、酸による歯の齲蝕を防いでいる。

b 胃腺から分泌される胃酸には、トリプシノーゲンをタンパク質消化酵素にする作用がある。

c 膵液は、弱アルカリ性であり、胃で酸性となった内容物を中和している。

d 胆汁に含まれている胆汁酸塩は、腸内に放出されると大部分は大腸で再吸収され肝臓に戻される。

  a b c d

1 正 正 誤 正

2 正 誤 正 誤

3 誤 誤 正 正

4 誤 正 正 誤

5 誤 正 誤 正

問3

a.正

b.誤:胃酸はペプシノゲンをペプシンにする作用がありますが、トリプシノゲンを活性化するのは膵液のエンテロキナーゼなどです。

c.正

d.誤:胆汁酸塩の大部分は小腸(回腸)で再吸収され、肝臓に戻されます。

正答:2

問4 循環器系に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 心臓の右側部分(右心房、右心室)は全身から集まってきた血液を肺に送り出す。

b 消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって肝臓に入る。

c 四肢を通る動脈の内腔側では、一定の間隔で薄い帆状のひだ(弁)が発達しており、血液の逆流を防いでいる。

d 心臓の内部は、上部が左右の心室、下部が左右の心房の4つの空洞に分かれている。

  a b c d

1 正 正 誤 誤

2 正 誤 誤 誤

3 誤 正 正 正

4 誤 正 誤 正

5 正 誤 正 正

問4

a.正:右心系は肺循環を担当します。

b.正:消化管からの栄養素は門脈を通じて肝臓に運ばれます。

c.誤:弁は動脈ではなく、主に静脈に存在し、血液の逆流を防ぎます。

d.誤:上部に左右の心房、下部に左右の心室の4つの空洞に分かれています。

正答:1

問5 血液の成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 血漿は、90%以上が水分からなり、アルブミンやグロブリン等のタンパク質や電解質等を含む。

b 白血球は、好中球、リンパ球、単球等からなり、そのうちリンパ球が白血球の約60%を占めている。

c 赤血球は、体内に侵入した細菌やウイルス等の異物に対する防御を受け持っている。

d 血小板は、損傷した血管から血液の流出を抑えるための生体内の機構に重要な役割を果たしている。

  a b c d

1 正 正 誤 正

2 正 誤 正 誤

3 正 誤 誤 正

4 誤 正 誤 誤

5 誤 正 正 誤

問5

a.正

b.誤:白血球は約60%を占めるのは好中球であり、リンパ球は約1/3を占めるとされています。

c.誤:白血球の記載。

d.正

正答:3

問6 内臓器官に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、2箇所の( a )内はどちらも同じ字句が入る。

( a )系は、血液中の老廃物を尿として体外へ排泄するための器官系である。

( a )のほかに、広義の排泄器官としては、二酸化炭素を排出する( b )や、老廃物を汗として排出する外皮等も含まれる。

  a   b

1 呼吸器 泌尿器

2 泌尿器 循環器

3 循環器 呼吸器

4 呼吸器 循環器

5 泌尿器 呼吸器

問6

a.泌尿器。腎臓が血液中の老廃物(尿素など)を濾過し、尿として排出する役割を担っています。

b.呼吸器。呼吸器は常時外気と接触し、異物や病原物質の侵入経路にもなるため、防御機構も備わっています。

正答:5

問7 腎臓に関する以下の記述の正誤について、 正しい組み合わせはどれか。

a 横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器である。

b 糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体という。

c 尿細管では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。

d 腎臓には、心臓から拍出される血液の1/5~1/4が流れている。

a b c d

1 正 誤 正 正

2 正 正 誤 正

3 正 誤 誤 誤

4 誤 正 正 誤

5 正 正 正 正

問7

a.正

b.正

c.正

d.正

正答:5

問8 泌尿器系に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 腎臓には内分泌腺としての機能があり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。

b 副腎髄質では、自律神経系に作用するアセチルコリンが産生・分泌される。

c 膀胱内の尿は血液が 濾過されて作られるため、 糞便とは異なり、健康な状態であれば細菌等の微生物は存在しない。

d 男性では、加齢とともに前立腺が萎縮し、尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある。

1(a、b)

2(a、c)

3(b、d)

4(c、d)

問8

a.正:エリスロポエチンというホルモンを分泌する。

b.誤:副腎髄質から主に分泌されるのはアドレナリンやノルアドレナリンである。

c.正

d.誤:男性では加齢とともに前立腺が肥大することが多く、それにより尿道を圧迫して排尿困難を生じます。

正答:2

問9 目に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 眼球の外側は、正面前方付近(黒目の部分)のみ透明な角膜が覆い、その他の部分は強膜という乳白色の比較的丈夫な結合組織が覆っている。

b 透明な角膜や水晶体には血管が通っており、血液によって栄養分や酸素が供給される。

c 水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・ 弛緩によって、遠くの物を見るときは丸く厚みが増し、近くの物を見るときには 扁平になる。

d 眼瞼(まぶた) は、素早くまばたき運動ができるよう、皮下組織が少なく薄くできている。

  a b c d

1 正 正 正 誤

2 誤 誤 正 正

3 正 正 誤 正

4 正 誤 誤 正

5 誤 正 誤 誤

問9

a.正

b.誤:角膜や水晶体は透明性を保つために血管がありません。栄養分は房水などから供給されます。

c.誤:近くを見る時は水晶体が丸く厚みを増し、遠くを見る時は扁平になります。

d.正

正答:4

問10 目に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 結膜は、薄い透明な膜であるため、中を通っている血管が外部から容易に観察できる。

b 涙器は、涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。

c 強膜(白目の部分)が充血したときは、眼瞼の裏側が赤くなる。

d 眼筋は、眼球の動きが少なく、眼球を同じ位置に長時間支持していると疲労する。

  a b c d

1 正 正 正 誤

2 誤 正 正 正

3 正 誤 誤 誤

4 誤 誤 正 正

5 正 正 誤 正

問10

a.正

b.正

c.誤:強膜の充血は、白目の部分の血管が拡張して赤くなる状態。眼瞼の裏側(結膜)が赤くなることとは直接関係ありません。

d.正

正答:5

問11 感覚器官に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 外耳は側頭部から突出した耳介と、耳介で集められた音を鼓膜まで伝導する外耳道からなる。

b 鼓室は、耳管という管で鼻腔や咽頭と通じている。

c 鼻腔上部の粘膜にある特殊な神経細胞(嗅細胞)は、においに対する感覚が非常に鋭敏であり、順応を起こしにくい。

d 鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある。

 a b c d

1 正 正 正 誤

2 正 誤 誤 正

3 誤 正 誤 誤

4 誤 誤 正 正

5 正 正 誤 正

問11

a.正

b.正

c.誤:一般的に嗅覚は時間の経過とともに慣れる(順応する)性質がある。

d.正

正答:5

問12 薬の消化管吸収に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 内服薬のほとんどは、その有効成分が消化管から吸収されて循環血液中に移行し、全身作用を現す。

b 坐剤は肛門から医薬品を挿入することにより、直腸内で溶解させ、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものである。

c 内服薬の有効成分は主に小腸で吸収されるが、消化管の吸収は 、濃度の低い方から高い方へ能動的に拡散していく現象である。

d 内服薬の有効成分によっては消化管の粘膜に障害を起こすことがあるため、食事の時間と服用時期との関係が各医薬品の用法に定められている。

  a b c d

1 誤 正 誤 誤

2 正 誤 正 誤

3 正 正 誤 正

4 誤 正 正 誤

5 誤 誤 誤 正

問12

a.正

b.正

c.誤:拡散は「濃度の高い方から低い方へ」起こる現象である。

d.正

正答:3

問13 薬の体内での働きに関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 薬の有効成分は、多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることなく薬効や副作用を現す。

b 医薬品の血中濃度は、ある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るため、低下していく。

c 生体の反応として薬効が現れるのは、医薬品の血中濃度が最高血中濃度に達したときである。

d 一度に大量の医薬品を摂取して血中濃度を高くしても、ある濃度以上になるとより強い薬効は得られなくなる。

1(a、b)

2(a、c)

3(b、d)

4(c、d)

問13

a.誤:標的となるタンパク質に結合し、その機能を変化させることによって薬効や副作用を現します。

b.正

c.誤:薬効が現れるのは、医薬品の血中濃度が有効血中濃度域に達したときであり、必ずしも最高血中濃度に達した時ではありません。

d.正

正答:3

問14 医薬品の剤形に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされた剤形であるため、水なしで服用することができる。

b チュアブル錠は、口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる。

c 舌下錠は、有効成分を舌下で溶解させ、口腔粘膜から吸収させる剤形である。

d カプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤、液剤等を充填した剤形であり、内服用の医薬品として広く用いられている。

  a b c d

1 正 誤 正 正

2 正 正 誤 正

3 正 誤 誤 誤

4 誤 正 正 誤

5 正 正 正 正

問14

a.正

b.正

c.正

d.正

正答:5

問15 一般用医薬品の副作用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医薬品は十分注意して適正に使用した場合、副作用を生じることはない。

b 副作用の早期発見・早期対応のためには、医薬品の販売等に従事する専門家が副作用の症状に関する十分な知識を身に付けることが重要である。

c 厚生労働省が作成し公表している「重篤副作用疾患別対応マニュアル」が対象とする重篤副作用疾患の中には、一般用医薬品によって発生する副作用も含まれている。

d 医薬品の販売等に従事する専門家は、購入者に対して、一般用医薬品による副作用と疑われる症状について医療機関の受診を勧奨する際に、当該一般用医薬品の添付文書等を見せて説明するなどの対応をすることが望ましい。

 a b c d

1 誤 正 誤 誤

2 正 誤 正 誤

3 誤 正 正 正

4 正 正 誤 正

5 誤 誤 誤 正

問15

a.誤:留意して医薬品を適正に使用した場合であっても、動悸 き (心悸 き 亢 こう 進)や一過性の血圧上昇、顔のほてり等を生じることがある。

b.正

c.正

d.正

正答:3

問16 ショック(アナフィラキシー)に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種である。

b 適切な対応が遅れるとチアノーゼや呼吸困難等を生じるが、死に至ることはない。

c 症状として、顔や上半身の紅潮・熱感、蕁麻疹、ロ唇や舌・手足のしびれ感、むくみ(浮腫)、吐きけ、顔面 蒼白、手足の冷感、冷や汗等が現れる。

d 原因物質により発生頻度は異なり、医薬品の場合、以前にその医薬品によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人には起きる可能性が低い。

1(a、b)

2(a、c)

3(b、d)

4(c、d)

問16

a.正

b.誤:アレルギーによる過剰な反応は過度に苦痛を与える場合が多く、重篤な副作用は死に至る可能性を含みます。

c.正

d.誤:医薬品を使用してアレルギー症状を起こしたことがなくても、他の医薬品でアレルギーの既往歴がある人や、アレルギー体質の人では、一般にアレルギー性の副作用を生じるリスクが高く、使用を避けるべきとされています。

正答:2

問17 偽アルドステロン症に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

偽アルドステロン症とは、体内に( a )と水が貯留し、体から( b )が失われることによって生じる病態である。( c )からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらずこのような状態となることから、偽アルドステロン症と呼ばれている。

   a     b      c

1 ナトリウム  カリウム   副腎皮質

2 カリウム   カルシウム  副腎髄質

3 ナトリウム  カリウム   副腎髄質

4 カリウム   ナトリウム  副腎髄質

5 ナトリウム  カルシウム  副腎皮質

問17

a.ナトリウム

b.カリウム

c.副腎皮質

正答:1

問18 消化器系に現れる医薬品の副作用に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 消化性潰瘍になると、消化管出血に伴って、 一般に糞便が赤くなる。

b 消化性潰瘍は自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。

c 医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられ、腹部膨満感を伴う著しい便秘等の症状が現れることがある。

d イレウス様症状が悪化しても症状自体は消化器系に留まり、全身症状に至ることはない。

1(a、b)

2(a、d)

3(b、c)

4(c、d)

問18

a.誤:一般的には上部消化管出血では黒色便(タール便)を呈します。

b.正

c.正

d.誤:イレウス様症状は重篤な副作用であり、死に至る可能性もあるショック(アナフィラキシー)と同様に、全身的な影響を及ぼす可能性があります。

正答:3

問19 呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 間質性肺炎は、肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたものである。

b 間質性肺炎の症状は、かぜや気管支炎の症状と区別がつきやすく、鑑別が容易である。

c 喘息の場合、原因となる医薬品(アスピリン等)の使用後、短時間(1時間以内)のうちに鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴及び呼吸困難を生じる。

d 喘息の場合、合併症を起こさない限り、原因となった医薬品の有効成分が体内から消失すれば症状は寛解する。

  a b c d

1 正 誤 正 正

2 誤 正 正 誤

3 誤 誤 誤 正

4 正 正 誤 誤

5 正 誤 正 誤

問19

a.正

b.誤:間質性肺炎の症状は、かぜの諸症状と区別が難しいため、症状が悪化した場合には服用を中止して医師の診療を受ける必要があると注意喚起されています。

c.正

d.正(手引きに記載はあるため正となるが、寛解すると言い切っていいのか疑問が残る)

正答:1

問20 感覚器系に現れる医薬品の副作用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医薬品によっては、瞳の拡大(散瞳)による異常な眩しさや目のかすみ等の副作用が現れることがある。

b 抗コリン作用がある成分の配合された医薬品によって 、眼圧が上昇し、眼痛や眼の充血等の症状が現れることがある。

c 眼圧が上昇しても、頭痛や吐きけ・ 嘔吐の症状が現れることはない。

d 高眼圧を長時間放置すると、視神経が損傷して視野欠損や失明に至るおそれがあり、速やかに眼科専門医の診療を受ける必要がある。

a b c d

1 正 誤 正 正

2 正 正 誤 正

3 誤 正 誤 誤

4 正 正 正 誤

5 誤 誤 正 正

問20

a.正

b.正

c.誤;眼圧の上昇に伴って、頭痛や吐きけ・嘔吐等の症状が現れることもある。

d.正

正答:2

他の問題・解説はこちらへ→ 一 覧

コメント

タイトルとURLをコピーしました